『エイリアン:ロムルス』戸松遥&内田真礼、エイリアンに「ロマンを感じた」声で表現する究極の恐怖
Q:(内田さんへ)『エイリアン』シリーズを初めてご覧になった時の感想は?
内田真礼(以降、内田):私はホラー作品に耐性がなくて、なかなか再生できずにいました。大人になって初めて『エイリアン』を観てみると、サスペンスやホラーを避けていた分、全く知らない世界が広がっていて、作品として面白いと感じることができました。『エイリアン:ロムルス』の監督は、私が最近観て好きになった『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレスさんで、「こういう方法もあったのか!」とドキドキしました。心拍数が上がる出来事だったり、本当にこんな生き物がいたら無理って思う気持ちを味わえたり、2時間で衝撃的な体験をしました。
これ以上耐えられない!とある出来事に衝撃
Q:本作で担当したレイン&ケイの魅力、声を当てる際に意識したことはありますか? 戸松:レインは、エイリアンと戦うために鍛えられてきた人ではなく、銃も触ったことがないごく普通の女性です。自分たちが今置かれている環境から脱出するために、やれることを一生懸命頑張っている姿も見られるので、戦うかっこいい人という感じで作り込むのではなく、等身大な姿を意識して声を当てました。
内田:ケイは、主要キャラクターの中でとにかく驚くシーンが多い印象です。恐怖から逃げたり、叫ぶことも多くて、収録時もアドリブで叫ぶシーンは気合いを入れて臨みました。ケイ自身が抱えているものが強さでもあるので、何とかこの世界で生きていくという想い、大変な状況になってしまった時のどうにもならない必死さ、人間が壊れていくさまを表現できたらいいなと思い、感情が揺れ動く部分は特に意識しながら演じさせていただきました。
Q:フェデ・アルバレス監督が原点回帰にこだわった恐怖を煽る描写は秀逸です。劇中では叫んだり、怯えたりするシーンが登場しますが、アフレコではどのように気持ちを作って臨まれましたか?
戸松:自分の中で恐怖心を作るというよりは、次から次へと起こることに対応していく感覚でした。役者さんのお芝居に声を重ねることが吹替なので、原音を聞きながら調整しています。レインは息の芝居が多くて、走っている時の息づかいや、絶対に声を出してはいけない状況での息震えた様子だったり、さまざまな呼吸があるので、全てが同じようにならないためにも、音も聞きつつ、お芝居としての感情も大事にしながら収録させていただきました。