「1時間以上ビンタされ続けたことも」父親から虐待を受け続けた25歳女性。彼女を救った「担任の一言」
父からの精神的な虐待も…
そんな父からは精神的虐待もひどかったという。 「私が小学生のとき、担任の先生に嫌われていて。保護者面談で『娘さんは、何をやってもダメですね』って先生が父に言ったみたいなんです。家で顔を合わせるなり、『お前は俺の子じゃない!出ていけ!お前なんかを子どもに持って本当に恥ずかしい!』という、罵声を浴び続けました。『お前なんていらないんだよ』と、ことあるごとに言われてきたので、お父さんに殴られるのも、お母さんがヒステリックを起こすのも『全部自分が悪いからだ』と心底思っていましたね……」 また、これが「家族の形として世間一般的だと思っていました」ともポツリとこぼす。“自己肯定感”という言葉で、しばしば人の分析がなされることがあるが、彼女は自らを肯定はおろか、否定しかしてこなかった。幼い子どもなら当たり前に受け入れられるはずの「字をきれいに書いた」「母の日の制作物でお母さんを可愛く描いた」「テストで100点を取った」といったことは、努力も空しく「あ、そう。片付けといて」の一言で終わった。 「親から期待に応えてもらったこと……ないですね。両親ともに一事が万事、そんな感じだったので。でもやっぱり、どんなに酷い仕打ちを受けても親なんですよ。私にとって、“認められたい”存在なんです。『もっと上手にできればよかった』『褒められるにはもっと頑張らなくちゃいけない』という気持ちを捨てきれずに、だけどその思いは成就することはなく、理想と現実のギャップに心がバラバラになっていきました」
誰にも相談できなかったワケ
常に他人の顔色を伺い、怒られないように、気に障らないように生きてきた彼女は、その自信のなさゆえにいじめに遭い、他人に利用されたこともあったという。必要とされただけでも嬉しかった彼女の周りに集まったのは、彼女を都合よく使いたいだけの人間で、人から大事にされるという感覚を知らぬまま育った。 「人に助けてもらったと初めて思ったのは中学2年生のときでした。父と母はすでに離婚していたのですが、再婚した継父から3年間性的虐待を受け、学校でも『あいつキモいよね』と言われたり、すれ違いざまに舌打ちされたり……。家庭でも学校でも問題があるなんて、やっぱり自分が悪いんだと思ったし、“誰からも好かれない子”と思われたくなくて、誰にも相談できませんでした。どこにも居場所がなくて、みんなから嫌われていて、こんな自分いなくなればいいよね、と私自身も心底思っていていて……。いっそのこと消えてしまいたいと本気で考えていたんです」