フレンチ・エレガンスを極めたピエール・バルマンの美ドレス【後編】
「ニュー・フレンチスタイル」と言われた革新的なデザインで、1950年代のモード界に一大旋風を巻き起こし、クリストバル・バレンシアガ、クリスチャン・ディオールと並び3大デザイナーと呼ばれたピエール・バルマン。気品あふれるドレスが多くのセレブたちを魅了してきました。多くの人に愛された魅惑のドレスをご紹介。前編とあわせてチェックを!
1956年
ロンドンで開催されたロイヤル・コマンド・パフォーマンスに招待され、エリザベス女王に拝謁したブリジット・バルドー。その際にまとったパールの刺しゅう入りドレスはバルマンがデザイン。拝謁の場ではデコルテドレスが禁止されていたので、ピエール自身が急遽ロンドンへ飛び、胸元を隠すためのリボン飾りを縫製しました。
1958年 映画『可愛い悪魔』
ブリジット・バルドーに再び衣装を提供した映画『可愛い悪魔』。バルマンの真骨頂であるテーラリング技術を駆使したコートが、上品で洗練された雰囲気。この作品でバルドーは、強盗容疑をかけられ、弁護士とのロマンスに巻き込まれていく女性を演じています。
1960年 映画『求むハズ』
映画『求むハズ』に主演したイタリアの大女優、ソフィア・ローレンの衣装を担当。大富豪である彼女の役柄を体現するため、ゴージャスなジュエリーを合わせた衣装がたくさん登場しました。
1961年 映画『ローマの哀愁』
ヴィヴィアン・リーの晩年の名作『ローマの哀愁』の衣装を担当。1970年代のイタリアの情景とともに、堕ちていくかつての大女優という役柄が、エレガンスあふれるファッションとともに表現されています。
1962年 映画『明日になれば他人』
バルマンのグラマーへのこだわりは、映画『明日になれば他人』のシド・チャリシーの衣装で存分で発揮されることに。パールのネックレスと組み合わされた、華やかなビーディングドレスは、この映画のシグネチャー的ルックです。
1973年
「ジョリ・マダム」(富裕階級の女性たち)を顧客に持ったバルマンはイブニングドレスとともに、ウエディング・ドレスも数多く手がけました。ウエストにリボンをあしらった刺しゅうレースの愛らしいドレスは、ボリュームたっぷりのベールが新鮮なインパクトを添えています。