【生しいたけ】実は冷凍できる!正しい保存方法、日持ちや栄養への影響を管理栄養士が解説
食物繊維やカリウム、ビタミンDを豊富に含む生しいたけは、冷凍保存が可能です。冷凍後の生しいたけは、熱を加えるとうま味成分のグアニル酸が増加するといわれています。今回は生しいたけの冷凍方法をご紹介します。冷凍による日持ちや栄養への影響などを知りたい方は、ぜひ参考にしてください! <写真>【生しいたけ】実は冷凍できる!正しい保存方法、日持ちや栄養への影響を管理栄養士が解説 ■生しいたけは冷凍すれば1か月ほど保存ができる 生のしいたけは、冷凍をすれば常温や冷蔵庫で保存するよりも日持ちします。 常温保存 冷蔵保存 冷凍保存 保存目安 約2日から3日間 約7日間 約30日間 数日楽しむなら常温でも問題ないですが、大量の生しいたけの消費に困っている、生しいたけをゆっくりと楽しみたいという方は、冷凍保存すれば約1か月保存が可能です。冷蔵保存では、7日をすぎるとうま味成分量に変化が見られるため、なるべく早めに消費するのがよいでしょう。 ■■冷凍しても美味しさへの影響は少ない 生しいたけは解凍方法を工夫すれば、冷凍しても味や食感が大きく劣ることはないといわれています。生しいたけのうま味成分であるグアニル酸は、生と冷凍で大きな含有量の差は見られなかったという研究結果があります。さらに、冷凍しいたけの方が生で食べるよりも味や香りを感じられるといった研究結果も出ており、生のしいたけは冷凍しても風味を損なう心配がないでしょう。 ■生しいたけを冷凍保存しよう!手順とポイント 生しいたけを冷凍する際は、調理時の用途に合わせて保存しておくと便利です。ここでは、生しいたけを冷凍する際の手順やポイントを紹介します。 ■■冷凍の手順 そのまま保存する場合 生しいたけに付着した汚れは、キッチンペーパーなどでやさしく拭き取る 生しいたけの石づきを切り取る 生しいたけの軸を取り外す(付けたままでもよい) 1つずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍する スライスして保存する場合 生しいたけに付着した汚れは、キッチンペーパーなどでやさしく拭き取る 生しいたけの石づきを切り取る 生しいたけの軸を取り外す 生しいたけを好きな大きさにスライスする 小分けにしラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍する 軸は、石づきを除けば食べられます。一緒に冷凍保存しておきましょう。 ■■ポイントは「冷凍前に濡らさないこと」 生しいたけを保存する際は、水分の付着に注意が必要です。しいたけは湿気に弱く、濡れた状態での保存は傷みの原因になります。また、食べる前に洗うと風味の低下にもつながります。生しいたけを冷凍保存する際は、キッチンペーパーで汚れを拭き取る程度にし、流水での洗浄は避けましょう。 ■冷凍しいたけを調理する際のコツ 冷凍しいたけは、調理前の解凍が不要です。きのこ類は冷凍したあと自然解凍をしてから加熱をすると外観だけでなく食味も落ちます。また、しいたけに含まれるうま味成分のグアニル酸は、解凍せずに少しずつ熱を加えるとうま味が増加するといった研究結果が報告されています。そのため、冷凍したしいたけを活用する際は、鍋の水に浸し、少しずつ熱を加えましょう。かさを丸ごと冷凍したしいたけは、鍋や煮物に活用するのがおすすめです。スライスしいたけは、使う分を取り出しみそ汁やスープに入れるとしいたけの風味が楽しめます。 ■使い切れない生しいたけは冷凍保存してストックしよう! 生のしいたけは、冷凍すれば約1か月ほど保存が可能です。味や食感を損なわないために、冷凍時にしっかりと水分を拭き取りましょう。水からゆっくりと熱を加えて解凍し、煮物や味噌汁に活用するのがおすすめです。冷凍しいたけを活用した料理で、美味しいきのこの風味を堪能してみてください。【参考文献】 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 きのこ類/しいたけ/生しいたけ/菌床栽培/生 - 01.一般成分表-無機質-ビタミン類 保存温度の違いがシイタケの品質に及ぼす影響 原木シイタケにおける長期冷凍保存と解凍条件が食味および成分含量におよぼす影響 生椎茸に異なる熱付加,組織損傷を与えた際の5′-ヌクレオチドの挙動 ライター/菅理栄養士 山田佳奈子 管理栄養士。約8年間保育園で献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。とくに食育活動に力を入れており、0歳から5歳の年齢に合わせた指導で「食を楽しく学ぶ」を大切に活動。出産を機に「食に興味をもつ子を育てる」ことをより意識し、さらに食育活動に力を入れる。アトピーや運動誘発性小麦アレルギーの発症、2年間のイギリス生活などでからだと食の関わりに関心をもつ。現在は、子育てをしながら執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)