ラーメンに革命が起きている! と衝撃を受けた一杯とは?
日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。 山本益博のラーメン革命!
日本初の料理評論家、山本益博さんが、B級グルメから一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンに注目し、自ら実食リポートする連載です。
「トイ・ボックス」の醤油ラーメンを契機に東京中のラーメンを食べ始めた
この秋「第25回東京ラーメン・オブ・ザ・イヤーTRYラーメン大賞2024-2025」(講談社)が発売された。 今回の雑誌の巻頭言には、次のように書かれている。 ■読者の皆様、ありがとう! 祝TRYラーメン大賞25周年 2000年というミレミアム元年に、情報誌『TOKYO★1週間』で産声を上げた「TRYラーメン大賞」企画。「東京で一番旨いラーメンを決めようじゃないか」という呼びかけのもと、“TRY”は始動しました。 発足背景には、2つの理由がありました。1つ目は、「麵屋武蔵」『青葉』『くじら軒』といった、後に“96年組”と言われる店が登場し、ラーメン業界が新たな時代の幕開けを迎えたこと。2つ目は、「美味しいラーメンを食べたいという需要はあるのに、それを教えてくれる媒体がなかった(少なかった)」ことでした。 25年前は今のようなSNSやYouTubeなどがない時代。「ならば自ら探し回り、真剣に議論し、格付けして発表しようじゃないか」と、旗揚げをしたのです。 第1回は、「TRY大賞」を『麵屋武蔵』、「TRY新人大賞」を『ぜんや』が受賞。見事、TRYは大人気企画となり、『TOKYO★1週間』の看板企画となりました。■
この雑誌の表2にTRY大賞とTRY新店大賞の一覧が掲げられているのだが、それを見ると、「麵屋武蔵」のほか「らーめん天神下 大喜」「中華蕎麦とみ田」「らぁ麺飯田商店」「ラーメン屋トイ・ボックス」など、錚々たる店が名を連ねている。TRY新店大賞を見れば、「ぜんや」のあとに「渡なべ」「麺や七彩」「らぁ麺やまぐち」「中華そばしば田」「宍道湖しじみ中華蕎麦琥珀」「らぁ麺や嶋」「Ramen FeeL」など、これまた、いまやラーメン界にその名をとどろかす面々が選ばれている。 そして、今年の「TRY大賞」は2021-2022年から三連覇中だった三ノ輪の「トイ・ボックス」が四連覇を達成し、「中華蕎麦とみ田」「飯田商店」と並び、殿堂入り店となった。