女子プロゴルフツアーの今季&来季統合の問題点と緊急事態宣言解除も今なお開幕見通しが立たない不思議?!
その文書が送られてから約1週間後の13日に目安となる17試合開催のデッドラインとなった「ニッポンハムレディス」の中止が決定し、シーズン統合発表となった。 今季のシード選手は、2020ー21年シーズンの開幕から権利保障対象競技の34試合までは出場資格が保障され、その後は賞金ランキングに基づいて新たな出場資格が付与される。QTランクによる今季前半戦の出場資格は同様に21試合まで保障され、その後にリランキングが実施される。 このため今季のQT(予選会)は行われない。QTランク下位の選手たちには厳しいシーズンとなるが、それよりもかわいそうなのは日程通りに実施される予定のプロテストに合格した選手たちだ。 QTが実施されないのだから出場資格を自力で獲得する術がない。小林会長は救済策として「各大会の主催者にお願いし、総出場人数枠を増やすことで調整したい」と説明したが、世界的にプレーファストが叫ばれる中、一向にプレー時間が短縮しない女子ツアーは、現状でも常に日没サスペンデッドとの戦いとなっている。 総出場人数枠の増加が実現したとしても、日照時間の短い春先や秋以降は競技が日程通りに消化できない恐れもある。 課題は山積みの新ツアー方式だが、最大の問題は、今なお今季の開幕が見えないことだろう。海の向こうの韓国ではプロツアーが再開。国内のプロスポーツでも、プロ野球が、セ・パ両リーグとも6月19日に無観客で開幕することを決めた。 プロ野球の開幕決定を引き合いにして、ツアーの開幕時期を会見で尋ねられた小林会長は、「試合をやりたいのはやまやまだが、ゴルフは全国から選手、関係者が一カ所に集まり、試合が終わるとまた全国に散っていく。感染リスクを最小限に抑えることを考えてやっていかないといけない。鋭意、検討中です」と話すにとどまった。
まだ開催の可否が決まっていない「アース・モンダミンカップ」(6月25~28日、千葉・カメリアヒルズCC)は、開幕までちょうど1カ月となったが、「ほかの試合と同じく検討中」と明言を避けた。 大会開催の決定権を持つ主催者のアース製薬は、開催に前向きなだけに何とも解せない反応だが、前述した「17試合の開催が確保できない場合のツアー方式の変更」は選手に向けて発信されたもので、メディアには一切知らされなかった情報。それだけに今回の「検討中」も、額面通りに受け取る訳にはいかないだろう。 会見で小林会長は「みなさんのお力添えに感謝している」といつものようにメディアを”よいしょ”したが、肝心な情報はメディアには伝えない。このトップは、メディアの向こう側にファンがいることを理解しているのだろうか。 今月20日に日本ゴルフ協会、日本ゴルフツアー機構などゴルフ関連5団体が共同で出した「新型コロナウイルス感染症対策に関するガイドライン」の「大会実施の制限の検討」の項目には、非公開開催として、「メディアの取材禁止」(メディアへの公式記録配信、リモートによる取材や記者会見対応)という信じられない文言が記されている。