声優・小松未可子が語る子育て 「夫も私も、子どもへの読み聞かせで“声優スイッチ”が入ってしまいます」
ただ、言葉や声をまねするのは得意みたいで。以前私がふざけてデスボイス調に本を読んだら、デスボイスをまねしちゃったことも(笑)。 ――小松さんご自身は子どものころから声優になりたかったのですか? 私自身アニメが大好きで、本や雑誌で声優さんインタビューを読むことはありました。でもまさか、自分が声優になるとは思っていなかったですね。 でも10代のころにアイドルとなり、その後役者を目指していたときに、たまたまマネジャーが私がアニメ好きであることを覚えていてくれて。声優のオーディションがあると教えてくれたんですね。 そこで思い切って挑戦したからこそ今の自分がある感じです。結果的に、自分の好きなことが職業につながって幸せです。 ■1作品で5人の役柄を演じ分けることも ――いろいろな役柄を演じられていますが、自分を成長させてくれた作品は何でしょうか? 「クラシカロイド」というコメディーです。実在の音楽家、例えばモーツァルトとかベートーベンをモチーフにした謎の人物たちが、私が演じる音羽歌苗という女の子の家に集まってきて、ドタバタコメディーを繰り広げるというもの。ギャグ満載な作品なのですが、ギャグってさじ加減が難しくて。わざとらしくないか、タイミングはどうかとか、迷うことも多かったですね。でも共演した先輩が演技力の高い方ばかりで学ぶことも多かったですし。みんなで切磋琢磨して、すごく刺激を受けました。 ――声優の仕事をしていてよかったと思うことは? 人生の節目節目で自分に近いキャラクターに出会い、演じさせていただくことが多いので、「今の自分ってこういう感じなのかな」と対峙できて、深く考えられる点ですね。そうやって演じたキャラクターの積み重ねが自分の演技のベースになっていますし、キャラクターとは自分の人生を一緒に歩んでいる感覚があって。 その点も声優という仕事の醍醐味かなと思います。 ――逆に大変なところはありますか? 例えばアニメですと、オーディションを受けたりオファーをいただいたりして自分に合うキャラクターを演じることが多いのですが、ゲームの場合、一つの作品で多数のキャラクター、多いときには5役も演じることがあるんです。しかもあとからさらにキャラクターが追加されることも。 やはり何役も差別化するのは難しいですし、自分自身、新しい引き出しをどんどん作っていかなければと思っていますね。