水深4mの湖底からミラーレス一眼を釣り上げ成功!データもカメラも復活したミラクルストーリー!
天国から奈落の底へと突き落とされた気分
2日目、私は当然ギル型のワームと、ギル型のビッグベイト中心に作戦を組み直して豊英ダムに挑んだ。特に期待していたのは「ブルシューターJr.(デプス)」。しかし、この日はヘラ師が多く、意中のポイントにはなかなか入れなかった。午後3時の時点で、私の釣果は40以下のバス1本。私の心はダークサイドに陥り、手が勝手に動いて、フェイスブックに自虐的な投稿までする始末。しかし、ふと気が付くと、昨日の八王子コンビが釣りをしていた場所にたどり着いていた。そう、ギルをエサにしてロクマルが釣れた場所だ。 私「ブルシューターJr.を投げよう」 そして、投げた1投目、ワントゥイッチ、ツートゥイッチ、3回目のトゥイッチで水面直下がベロンと白く光った。20mは離れていたけれど、光ったのが見えた。そしてしっかりと重さが乗った。バスだ、間違いない。ファイト中は不思議なほどスリルを感じることがなく、むしろ夢見心地だった。 ネットに入れたバスは、ゆうに50を超えるサイズ。メジャーを当てると、ぴったり50cm。意外にもギリギリだったが、ついに鬼門を克服した。 私は三脚を組み立てて、「OM-D」をセット。スマホの自撮りではなく、ミラーレス一眼でバス持ち写真を撮ることもできた。さて、まだこのポイントで1投しかしていない。次の1投でロクマルが出てもおかしくはないのだ。私は同じルアーを投げ始めた。2投目、そして3投目に事件は起きた。 トランプでピラミッドを作った経験はあるだろうか? あれが、バランスを失って、倒れるような。そんな空気の動きを背中に感じた。 ボッシャーン! ブクブクブクブクブク・・・。 振り返る途中、私の視界の端が最初にとらえたのは、すでに逆さになった三脚の足が、水中に没していくシーンだった。もちろん、カメラは装着したままだ。レンズも含めて約20万円。さっき撮影したばかりのバスの写真も、もちろんカメラの中だ。私は天国から一気に地獄へと落とされた気分になった。