FC今治・岡田武史オーナーが語る新型コロナ克服後の世界観「戦いを乗り越えたときに社会が変わるのではないか」
今シーズンから初めてJ3リーグに参戦するFC今治の岡田武史オーナー(63)が、2度のワールドカップで指揮を執った日本代表監督時代を含めた指導者人生で貫いてきた勝負哲学を、新型コロナウイルスを乗り越えるための戦いでも生かせるというメッセージを発信した。 指導者として岡田氏が残してきた、数々の名言のなかに『勝負の神様は細部に宿る』がある。11日に更新された今治の公式ホームページで、岡田氏は「FC今治ファミリーの皆さん」と題したメッセージを公開。そのなかで『勝負の神様は細部に宿る』と新型コロナウイルス禍をリンクさせた。 「試合の勝ち負けを分けるのは『たった一回ぐらい』『俺一人ぐらい』という小さなゆるみであることがほとんどです。新型コロナとの戦いも同じです。よく言われるように『外出しない』、『手洗いをする』を一緒に実行しましょう。FC今治ファミリーが一致団結して頑張っていきましょう」 岡田氏から初めて『勝負の神様は細部に宿る』を聞いたのは、横浜F・マリノスの監督に就いた2003シーズン。終盤戦にマークした怒涛の5連勝でジュビロ磐田、ジェフ市原、鹿島アントラーズ、名古屋グランパスの上位勢を一気に逆転し、J1のファーストステージを制した直後だった。 コンサドーレ札幌(現北海道コンサドーレ札幌)に続いてJクラブの指揮官に就任。いきなり結果を出した岡田氏は「選手たちにもうるさく言っていること」と前置きした上で、運という目に見えない要素、もっと踏み込んで言えば実際には存在しない要素に対する持論をこう展開している。 「運は誰に対しても、すぐ目の前に流れている。それをつかめるか、あるいはつかみ損ねるか。絶対につかみ損ねたくないから、たった1メートルのダッシュでも手を抜かない。1メートル手前で力を抜いたために運をつかみ損ねて、勝利を逃してしまうかもしれない。戦術論やシステム論も大事ですけど、僕の感覚では8割方、小さなことが勝負を分けるので、どうしてもうるさくなる」