おでん+電話=おでんわ! 自由に創作した食品サンプル、勤続6年目の作者「最初は『おでんしゃ』でした」
「おでん」と「電話」を組み合わせて「おでんわ」を作りました――。そんな食品サンプルがSNS上で注目を集めました。製作の経緯や見どころについて取材しました。
おでんの具材を組み合わせて電話に
今月15日、食品サンプルを手がける「いわさき」のX(旧ツイッター)アカウントがこんな投稿をしました。 「title『おでんわ』〈食品サンプルコンクール2024作品〉」 添付された画像に写っているのは、おでんの具材を組み合わせて電話の形にした食品サンプルです。 受話器の持ち手はちくわで、コードが糸コンニャク、本体は餅巾着で、ダイヤルは大根で作られています。 この投稿に対して「売れると思います」「おでんわでお電話したい」といったコメントが寄せられ、いいねは6万を超えています。
いわさきに聞きました
いわさきの広報担当者によると、作者は勤続6年目の広島工場勤務の25歳女性。 毎年1回開催されている「社内製作コンクール」に向けた製作したものだそうです。 コンクールは、普段は飲食店のオーダーに忠実なものづくりを目指している製作担当者が「つくりたいものをつくる」ことを許される場。 持てる技術と経験を注ぎ込み、本物と区別のつかない超リアルな作品や、ユーモラスで「映える」作品などが出品されます。 「長年にわたるコンクールは多くの新技術や新しい表現方法の発見につながり、それを会社全体で共有することで新商品の開発へとつながっています」
油揚げの色と薄さにもこだわり
「インパクトのあるものを作成したい」と考えた、おでんわの作者。 ダジャレからスタートして、「おでんだと具材の種類が多いことから表現の幅も広がる」ということで、モチーフが決まったそうです。 「最初は『おでんしゃ』だったのですが、しっくりこなくて『おでんわ』に変更になったとのことです」と広報担当者。 ちなみに、作者はダイヤル式の黒電話を使ったことはないそうです。 食品サンプルは、基本的に現物の料理を型取りして製作します。 おでんわに使用しているちくわやだいこん、玉子などは食材から型を取って製作。 土台の餅巾着部分はこのサイズのものがなかったため、大きくて薄い油揚げと餅の食品サンプルをそれぞれ作り、実際の餅巾着を作るように包んでいます。 造形だけでなく、餅部分がうっすらと透けるように、油揚げの色と薄さにもこだわったそうです。 話題になったことについて、作者はこう話しているといいます。 「アイデア的にも好きだなと思って作り上げたものだったので、社内審査で受賞できなかったのは悔しかったのですが、こういったかたちでたくさんの方に見てもらえてうれしく思っています」 おでんわは、今後開催されるイベントで展示予定とのことで、広報担当者は「ぜひSNS等をチェックしてください」と話していました。