肌のハリ・弾力低下の原因とは?「加齢のせい」と諦めるのはまだ早いかも。日々の適切なスキンケアで見た目年齢を若々しく
年齢を重ねるにつれ、肌のハリがなくなり、しぼんだ印象になってきたと悩んでいる人は多いもの。「自然なことだから仕方ない」と思いがちですが、今のスキンケアアイテムは格段の進歩を遂げています。上手に活用して、凜と引き締まった肌を目指しましょう 。今回は、資生堂・みらい開発研究所所属の入山さんと、ロート製薬・スキンケア製品開発 開発第2グループ所属の平さんにお話を伺いました(撮影◎小川剛 イラスト◎watanao スタイリング◎シダテルミ 取材・文◎入江信子) 【図】若い肌、年齢を重ねた肌の構造の変化 * * * * * * * ◆老けた印象の原因は肌のハリ・弾力の低下 肌がたるんで毛穴が目立つ、フェイスラインがもたついてきた、頬の位置が下がって老けた印象に……。こうした現象の裏にあるのは、肌のハリ・弾力の低下です。 では、肌の内側ではどのようなことが起きているのでしょうか。 「肌の真皮に存在するコラーゲンやエラスチンは、ハリ・弾力を司る因子として知られています。特にコラーゲンは加齢に伴って量が減少し、線維自体が細くなってしまう。つまり量的にも質的にも低下するため、内側から支える力が弱くなり、ハリのない老けた印象になるのです」と話すのは、資生堂の入山俊介さん。
◆適切なスキンケアで見た目年齢を若々しく 個人差はあるものの、コラーゲンを作る細胞の力ががくんと衰えるのは40代。また、表皮と真皮の境目にある基底膜も加齢により働きが低下し、コラーゲン生成力に影響を及ぼしていると言います。 「近年の私たちの研究では、真皮層だけでなく、その下にある一番厚い層の皮下組織も、ハリ・弾力を維持するのに大きく関わっていることに注目しています。皮下組織は、いわゆる脂肪の層。本来ここが厚ければ、土台がしっかりして肌のボリュームを作り出せるのですが、加齢により脂肪がしぼみ、薄くなってしまう(菲薄化)。すると重力に逆らえず、顔が痩せたり、たるんだりした印象になるのです。皮下組織の変化をたとえて言うなら、パンと張っていた風船の空気が抜けて、ゆるんでいるイメージですね」と、ロート製薬の平和也さんは解説します。 このように年齢を重ねるごとに変化する肌内部の状況を、日々のスキンケアで立て直すことはできるのでしょうか。 「10代の頃の肌に戻すことはできませんが、適切なスキンケアを行えば、加齢の影響を最小限に食い止め、見た目年齢を若々しくすることは可能です」(入山さん)