良い睡眠に朝食が影響する? 専門家がすすめる「朝に食べるといい食材」
毎日、朝ごはんを食べていますか? 誰もが忙しい朝の時間、朝ごはんを簡単に済ませている人も多いと思いますが、朝はエネルギー不足の状態のため、朝ごはんをしっかり食べることで、午前中に活動するために必要なエネルギーを補うことができます。さらに、朝食はその日の夜の睡眠の質にも影響を与えることをご存知ですか? では、どのような食事を摂るのがいいのでしょうか。「睡眠と食事」の気になる関係性について、睡眠コンサルタントの友野なおさんに詳しく解説していただきました。 【写真】質の良い睡眠をとるために、朝ごはんに積極的に食べたいものとは
朝食は起きて1時間以内が理想的
規則正しい1日3度の食事は、健康のためだけでなく、良い睡眠のためにも推奨されています。朝食は起床後1時間以内にとることが望ましく、毎日の食事のタイミングは1時間以上ズレが生じないようにすることが理想的です。 最近では朝食を食べない人が増えていますが、朝食を抜いてしまうと身体が目覚められないことと併せて、概日リズム(体内時計)をつかさどる時計遺伝子から「飢餓の危険信号」が出され、通常昼間は「消費モード」になる体が夜の「溜め込みモード」のままになり、1日中、体がエネルギーを消費しにくいモードになってしまいます。 きちんと眠れていない場合は、どうしても朝食を食べる意欲がわきにくいですが、食事のリズムが乱れてしまうと身体の代謝リズムも乱れてしまい、肥満や睡眠問題につながる悪循環が生み出されてしまうこともあります。
朝ごはんに積極的に食べたいもの
日中の意欲的な活動と、質の良い睡眠を得るために、朝食時に積極的に食べたいものといえば、セロトニンの原料となるタンパク質に含まれる「トリプトファン」です。 セロトニンは夜になると脳の松果体というところで睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンに変換されて良い睡眠を促すため、夜の良質な睡眠のためにも朝からタンパク質を補給することは大切です。 トリプトファンは必須アミノ酸の一種で、体内で合成できないため食事から摂る必要があります。トリプトファンを含むタンパク質が豊富な食材は、乳製品、卵、大豆製品、魚介類、肉類、アボカド、バナナなど。 また、セロトニンの合成にはトリプトファンだけでなく、セロトニン生成に必須の栄養素で、脳へと運ばれたトリプトファンと合成される「ビタミンB6」、トリプトファンを脳へ送り込む働きをする栄養素である「炭水化物」の2つの成分も欠かせません。 つまり、バランスの良い食事が必要ということになりますが、朝は出掛ける準備やら朝食・お弁当づくりやらで、とにかく忙しい時間帯。「丁寧に料理をしているヒマなんてない」と思ってしまうのも当然でしょう。 そこで、この3つの成分が含まれている「バナナ」を朝食習慣にもってくるのはおすすめです。バナナであれば包丁を使わず、また手を汚さずに簡単に食べられますし、1年中安定的な価格でスーパーなどで手に入るので取り入れやすいですよね。