ボッシュ、CES2025でSDVの可能性を紹介 ロバート・ウィケンズ選手が登壇しLMDh由来のハンドドライブ電動ブレーキシステムを語る
■ ボッシュ、SDVの可能性をロバート・ウィケンズ選手とともに見せる ボッシュは1月6日(現地時間)、CES2025のプレスカンファレンスでSDV(ソフトウェアディファンドビークル)のモビリティにおける可能性を強く印象づけるプレゼンテーションを行なった。 【画像】レーシングドライバーのロバート・ウィケンズ選手(左)も加わって、SDVによるハンドドライブ電動ブレーキシステムを紹介 SDVはソフトウェアで定義された車両という意味で、次世代車のキーポイントとなっている。ボッシュはメガサプライヤーとして、SDVを実現するさまざまなデバイスを用意、その1つとしてハンドドライブの電動ブレーキシステム紹介した。 このハンドドライブの電動ブレーキシステムは、ボッシュがハイブリッドシステムを供給するLMDh車両由来のソリューションであり、実際にそのシステムを用いているレーシングドライバーのロバート・ウィケンズ選手が登壇。ウィケンズ選手はインディカードライバーであったが、2018年の事故により脊椎などを損傷。車いす生活となり、現在は車いすのドライバーとしてレースに参加している。 そのウィケンズ選手は、従来使っていたハンドドライブブレーキでは油圧システムを用いていたため、「使えることは使えるが、理想的ではなかった」とし、LMDh車両由来となる最先端のブレーキ・バイ・ワイヤ技術は、油圧と電動ブレーキシステムをインテリジェントに制御。ソフトウェアを適応して調整した結果、「迅速に、より一貫してブレーキをかけられるようになった」という。 SDVとなることで、世界クラスの精度とスピードでブレーキがハンドドライブで可能になり、ウィケンズはよりハイレベルなモータースポーツに参戦できるようになった。2025年はIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にデビューすると語り、ボッシュとのコラボレーションにより無限のチャンスが生まれているという。 SDVというとクルマがどう変わるのかとか、クルマのスマホ化というハードウェア的な議論が起きがちだが、このウィケンズ選手の例では、ソフトウェアが介在するからこそ、モビリティの可能性が多くの人に拡張されていることになる。従来は、運転の難しかったクルマも運転できるようになり、クルマの楽しみをより多くの人に届けられたことになる。 もちろん、今回の場合はウィケンズ選手が元インディカードライバーという特別なドライバーであったこともあるが、そのウィケンズ選手ですらSDVとなることで運転が容易になり、数々の恩恵を受けられたことになる。 ボッシュは、ウィケンズ選手とともにCES2025でSDVの可能性を鮮やかにプレゼンテーションしていた。 ちなみに、プレゼンテーションで使われていたLMDh車両はHRCのアキュラであり、その車両はLVCCのボッシュブースに飾られるという。LVCC会場のオープンは7日となり、SDVテクノロジの入ったその車両が気になる方はボッシュブースを訪れてみていただきたい。
Car Watch,編集部:谷川 潔