子どもの頃の朝ごはん、当たり前と思っていたら…「贅沢」「うらやましいです」今はもう食べられない?【北海道・函館】
イカ尽くしの食卓だったけれども
夏期はマイカ(スルメイカ)、冬期はヤリイカと年間通して新鮮なイカを食べていたそうで、「ヤリイカは薄くて食べやすくて、マイカは厚みがあって食べごたえがあるんです。新鮮だとどちらも甘くてコリコリして美味しかったですね。イカ刺しだけでなく、イカそうめんも美味しいですよ」。 しかし、16歳の頃、イカ刺し丼を作ってくれたお母さんが亡くなり、以前ほど食卓に上がることはなくなってしまいました。「毎日のように食べていたので、朝イカを食べると母のことを思い出します」。 その後、函館にいた頃は近所のおじさんがたくさん釣れたイカをおすそ分けしてくれるなど「道外の人に比べたらイカ刺しは食べていた」というReikaさん。24年前、結婚を機に函館を離れます。最近函館に帰ったのは約5年前で、昔ほどイカは食べられていない印象だったと言います。 「イカ漁が不漁みたいで、近年の暑さとかも影響してるんでしょうけど。他の地域から見たらイカの量はあると思うけど、昔みたいにたくさんとれる、安く食べられるということはないと思います」 やはり函館でのイカの状況は変わってしまったようで、2020年の北海道新聞では最後のトラックでの移動販売として「川村鮮魚」を営むご夫婦が取り上げられ、今年6月19日のNHKの放送では函館市でのイカの水揚げ量の減少と価格高騰が続いていることが報じられていました。
「食文化がちがうんだなぁと…」
Reikaさんは札幌に住んでいたこともあり、朝食でイカ刺し丼を食べていたとを話すと驚かれたことも。「同じ北海道でも海に面した函館とは食文化がちがうんだなぁと、私も驚きました」。 現在住んでいる滋賀県では、鮮度の高いイカの入手は難しく、「売ってるイカが白いんです。新鮮なイカは半透明なので」。また、生食用のイカが刺身の状態にカットされて売っているのにも驚いたそうです。 Reikaさんはお母さま同様、イカを捌くのはお手のもので、「皮をむくのは普通にできますね。イカ刺しとなると新鮮じゃないとできない。函館にいる時は自分でやっていました」と、子どもの頃にからイカが日常的な存在だったといいます。 他の地域の人にとっては「贅沢な朝ごはん」な「イカ刺し丼」も、海の幸が豊富過ぎて本人にとっては「毎日の朝ごはん」だった「イカ刺し丼」。他にも、まだ知られていないローカルな「贅沢な普段のごはん」があるかもしれません。