わずか3カ月で全線再開した「のと鉄道」、奇跡的な復旧はどう成し遂げられたのか 共通の目標は「新学期に間に合わせたい」日常を取り戻す光に
▽涙のスピーチ 4月6日午前5時40分から穴水駅の1番ホームで開かれた一番列車の出発式では中田社長が涙を目に浮かべながらあいさつした。その全文を紹介する。 × × みなさまおはようございます。みなさまとともに一番列車の出発を迎えられますことを心から感謝申し上げます。1月1日に突然襲ってきた地震は私たちの社会、そして生活、そして愛する鉄道に大きな被害をもたらしました。その瞬間から私たちは早期の復旧という共通の目標に向かい、一致団結して復旧作業に励んで参りました。困難という暗闇の中でも皆さまの力、勇気、そして無尽蔵の努力により、今日は未来への光がもたらされたものと確信しております。 社員の皆さま、あなた方がいなければこの復旧は成し遂げられませんでした。被災しながらも家族を思い、地域を思い、そして鉄道への愛を決して忘れずに前に進んでくださった皆さまに心からの敬意と感謝を表します。そして工事工程の工夫により新年度、新学期に間に合いました。
地域にとっては大変大きな意味を持つ再開です。JR西日本さま、大鉄工業さまをはじめとする工事関係者さま、ご支援いただきました地域の皆さま、自治体の皆さま、ご支援いただきました全ての方々に深く感謝を申し上げます。今日の運行再開は公共交通機関のただの運行再開にとどまりません。これは私たちの絆、強さ、そして未来への希望の象徴となるものです。 今は臨時ダイヤでの運行となりますが、完全な復興を目指し、これからも安全を最優先に信頼される鉄道を目指して参りましょう。 最後に、被災された皆さまにお見舞い申し上げますと共に、復興への強い願いを込め、そして支えてくださった全ての皆さまへの無尽蔵の感謝を持ってこのあいさつを結ばせていただきます。皆さまの健康と幸福を心からお祈りしております。本日はどうもありがとうございます。