クリテオ 3Q決算、収益減少もマイクロソフトとの提携強化とリテールメディアの成長を強調
記事のポイント クリテオは2024年度第3四半期決算で、売上高は減少したが、粗利益が増加。リテールメディアは22%成長する一方、リターゲティング事業は縮小した。 マイクロソフトとの提携で50万社の広告主を獲得する可能性があり、サードパーティCookie廃止に対応する新戦略を推進中。 Googleの広告部門の低迷が続き、アルファベットへの規制が強化されるなか、クリテオは変革期の市場で生き残りを模索している。 クリテオ(Criteo)は10月30日、9月30日までの3カ月間のよいとも悪いとも言い難い業績を発表した。2024年度第3四半期の売上高は前年同期比2%減の4億5900万ドル(約707億5000万円)だったが、粗利益は13%増の2億3200万ドル(約357億6000万円)となった。 Googleがディスプレイ広告事業のさらなる落ち込みを発表した翌日に公表されたこの結果は、サードパーティCookieを使用しない広告ターゲティングへの移行に取り組むなかで、デジタル業界全般が直面している課題を示している。 クリテオの経営陣は即座に「規律あるコスト管理」など、この期間の運営面において強調すべき点をいくつか指摘した。たとえば、1年前は2億2400万ドル(約345億2000万円)だったトラフィック獲得コスト(TAC)は、1億9300万ドル(約297億4000万円)となっている。 さらに決算の内訳はクリテオの戦略的優先事項も示している。決算報告によると、リテールメディアの売上は22%増加し、レガシーである「パフォーマンスメディア」の売上、すなわち主にサードパーティCookieに依存している広告リターゲティング事業の売上は5%減少した。
第4四半期の見通しと政治的影響による不確実性
クリテオの経営陣はあらかじめ準備されていた声明にて、TACを除く第4四半期の売上高を3億2700万ドル(約503億4600万円)から3%から5%増の3億3300万ドル(約507億6600万円)、EBITDA(利払前・税引前・償却前利益)を1億1400万ドル(約175億3700万円)から1億2000万ドル(約184億6000万円)と予想している。 クリテオのCFO、サラ・グリックマン氏は同社のリリースで、「当社は変革への投資を継続しながら、年間2桁の成長と利益率の拡大を実現するという自信をもってホリデーシーズンを迎える」と付け加えている。 クリテオは通期の業績見通しをやや下方修正し、経営陣は「TACを除く貢献」を10%から11%の成長に引き下げたとアナリストは指摘している。これは、前期の第2四半期決算での上限が12%だったものからの引き下げとなる。 その後の決算説明会でクリテオの幹部は、現在進行中の総選挙(「短いホリデーシーズン」につながる可能性が高い)などの要因が同社の収益予測にマイナスの影響を及ぼすと指摘した。クリテオのCEO、メーガン・クラーケン氏は、「一部の小売業者は政治サイクルが終わるまで待っている」と述べた。