初日は両車トップ10入り。トヨタ、猛暑のCOTAでタイヤ比較など本番への準備を進める/WECオースティン
8月30日、アメリカ・テキサス州オースティンに位置するサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で、WEC世界耐久選手権第6戦『ローンスター・ル・マン』が開幕した。 【写真】チーム代表を兼務する7号車ドライバーの小林可夢偉 この2024年も2台の『トヨタGR010ハイブリッド』で、シリーズ“最高峰”のハイパーカークラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racingは、レースウイーク初日となった金曜のプラクティス1回目、同2回目で予選と決勝レースに向けた準備を進め、セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組が8号車が総合6番手、マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース組がドライブする姉妹車7号車は10番手タイムを記録している。 7月に行われた第5戦サンパウロで今シーズン2勝目を挙げたTGRは、マニュファクチャラーズ選手権で首位に立つポルシェに対し4ポイント差に迫って第6戦を迎えた。今大会の舞台であるCOTAは2013年と2020年に総合2位表彰台を獲得しているものの、TGRがいまだ勝利を挙げたことないサーキットだ。 チームは先月、同地で走行テストを実施。トヨタGR010ハイブリッドにとって初めてCOTAを走ることとなった3日間のテストでは、このチャレンジングなコースにおける高温下でのタイヤマネジメントの重要性が浮き彫りとなった。そのためチームはミディアムタイヤとハードタイヤのコンパウンド比較をレースウイーク最初の公式練習における最優先事項に挙げ、エアロダイナミクスおよびセットアップとともに重点的に確認作業を行った。 そんなプラクティス1回目では7号車がデ・フリースが記録したタイムで10番手に。8号車はハートレーのマークした自己ベストタイムで15番手となっている。 続けて行われたプラクティス2回目では、最初に予選へ向けた準備が行われ、その後はロングラン・プログラムへ切り替えられた。セッション中盤に赤旗が出され8分ほど中断を挟んだものの、TGRは順調にプログラムを消化し一日を終えている。FP2では開始早々にハートレーが記録した1分52秒788というタイムで8号車が全体の6番手に。僚友の7号車は1分53秒052で10番手となった。 WECオースティンの二日目、31日土曜の予選日は現地11時(日本時間9月1日日曜1時)から1時間のFP3が行われたあと、15時40分(日本時間5時40分)から予選とハイパーポールが実施される予定だ。 ■「悪くないスタート」「路面がとても良くなっていた」/TGR WECドライバーコメント ●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー) 「今日はずっとクルマの改善作業を続けていました。ハイパーカークラスのラップタイムは非常に近接しており、さらなるパフォーマンスを見出すべく全力を尽くしています」 「正直なところ、我々は最速の1台ではありませんのですべてをうまくまとめる必要があります。クルマから最高のパフォーマンスを引き出し、ミスなく戦うことがカギになります。明日はコースコンディションの理解を深めて、それに合わせた準備をする必要があります。そうすれば良いパフォーマンスを見せることができるはずです」 ●マイク・コンウェイ(7号車ドライバー) 「今日はいくつかのテスト項目をこなし、タイヤへの理解を深めた。コース路面の進化は著しく、公式練習1回目から2回目にかけて感触が良くなったのはそのせいかもしれない」 「フェラーリ、キャデラック、ポルシェといったライバルは強そうだ。我々は決勝に集中して、もう少しペースを上げられるよう努力している。タイヤのグリップも高いし、高速でエキサイティングなレースになりそうなので楽しくなりそうだね」 ●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー) 「ここオースティンはとても暖かい一日で、とても楽しめた。今日の2度のセッションはクリーンで生産的だったと言える。路面が再舗装されたおかげで、コースコンディションの向上代がとても大きかったんだ」 「以前ここを走ったときは路面がとても荒れていて凹凸が多かったが、今日はとても良くなっていた。良い一日で、走行を楽しめたよ。我々の競争力はそれなりにあるように見えるが、ハイパーカーは非常に接近しているのでチャレンジになるだろう」 ●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー) 「オースティンに戻って来られたのは嬉しいし、先月のテストで開始した作業を続けられるのは良いことだ。今日は多くの周回を重ねることができ、多くの分析すべきデータが得られたので、良い一日になった」 「予想どおりの暑さで、タイヤが大きな要素となることは明らかなので、今日行ったタイヤ関連の作業は重要だった。ハイパーカー間の争いは非常に接近しているので、まだまだ改善を続ける必要がある」 ●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー) 「順調な一日だった。公式練習1回目では、いくつかのタイヤテストを実施し、決勝へ向けて明確な方向性を見出すことができたので良かった。公式練習2回目は競争力向上が見られた」 「公式練習1回目ではまだ競争力が足りなかったけど、2回目ではフィーリングも良くなり、まだライバルとの差はあるものの少しは近づけたと思う。ペースがまだ少し足りないので、さらなるパフォーマンス向上へ向けて、今夜も作業を続けるよ」 ●平川亮(8号車ドライバー) 「悪くないスタートでした。公式練習1回目から2回目にかけて、良い進歩を遂げられたと感じています。1日が進むにつれてクルマの感触が良くなっていったので、その進歩には満足していますが、まだ上位を争うまでには到っていませんし、とくにフェラーリが強そうです」 「予選と決勝へ向けて改善を進めていく必要があり、やるべきことはまだ沢山あります。これまでのところは良い仕事で進歩もできているので、この調子で頑張ります」 [オートスポーツweb 2024年08月31日]