ぶらり地元の名所をご案内、林家たい平さんと歩く春の秩父。
【占う】武甲山(ぶこうさん)の伏流水が流れる 秩父神社へぶらり、水占いを。
秩父駅を見守るように市街の中心に鎮座する秩父神社は、創建2100年を迎えた秩父の総社一之宮(そうじゃいちのみや)である。 「秩父の人には生活に根付いた馴染み深い神社で、小さい頃は鬼ごっこをしたりと、僕にとっての遊び場でした」
見所は本殿に施された、見事な彫刻。 「つなぎの龍や子宝 子育ての虎は、左甚五郎の作とされていて、最近、塗り直されてとても色鮮やかです」 この神社で近頃人気なのが、水占いだ。白紙のおみくじは、境内を流れる柞(なら)の禊川(みそぎがわ)に浸すと文字が浮かび上がってくる。さて師匠の運勢は……。
秩父神社
神社にある社殿は徳川家康公から寄進されたもので、埼玉県の有形文化財に指定されている。お元気三猿は日光東照宮の三猿とはまったく違う表情。こちらは〝よく見て、よく聞いて、よく話そう〞という願いが込められている。 ●埼玉県秩父市番場町1・3 TEL.0494・22・0262 秩父鉄道「秩父」駅より徒歩3分。
【食べる】地元に帰ってきたら必ずこの味、 名物くるみ蕎麦の名店にぶらり。
「そうそう、小さな頃の遊びと言えば、くるみ拾い、というのもありました」 季節になれば、近所の川原には当たり前のように山ぐるみが転がっていた。 「その山ぐるみをすり潰してお出汁にしたものが名物のくるみ蕎麦です」 中でもお気に入りの一軒、『そば処 入船』では、お昼前から多くのお客さんが行列をなしている。 「そしてもう一つのソウルフードが、みそポテト。いもを天ぷらにして甘味噌をかけたもので、子どもはおやつ、お父さんはビールのつまみと、老若男女、家族みんなを満足させる料理です」
そば処 入船
秩父神社近く黒門通りにある、長屋風の古民家の店は大正時代に建てられた有形文化財となっている。店内にはテーブル席と座敷がある。濃厚でほのかに甘いくるみの味が口の中に広がる、店一番人気のくるみそばは900円。 ●埼玉県秩父市番場町11・4 TEL.0494・24・5691 秩父鉄道「秩父」駅より徒歩5分。
美大で客員教授も務める、たい平さんの原点が覗ける場所。
たい平美術館は、たい平さんが生まれ育った実家の2階にある。 「父はここでテーラーを営んでいて、母は駄菓子屋をやっていました。両親は亡くなりましたが、何か形に残せないかなと思い、家を改装して2階を美術館にすることにしたんです」 室内には演芸場などに寄せている画や切り絵、キャラクターデザイン、『笑点』ゆかりの展示物が並んでいる。 この日、突然の本人の登場に、訪れていたファンは、わあ!と声を上げ、すかさず 〝何かあったのか?〟とリアクションした。さすがは師匠のファン。