ドライバー飛距離アップの秘訣は“ひざ”にあった!【ひざを曲げなければ飛距離はもっと伸びる①】
ひざはゆとりを持たせて軽く曲げる……。そのように教わったゴルファーは多いはず。だが、ティーチングプロの大本研太郎氏は「そのひざが飛ばない元凶」と断言している。ひざは曲げる? 伸ばす? どちらが正しいのか、2024年8月13日号の「週刊ゴルフダイジェスト」で深掘りしている。「みんゴル」ではそれを3回に分けて紹介しよう。
解説:大本研太郎プロ 2018年PGAティーチングプロアワード最優秀賞受賞。恵比寿にあるスタジオ「GPC恵比寿」を主宰。 スウィング理論だけでなく、マネジメントやメンタル、フィジカルにも精通する理論派プロ。現在、女子プロの東浩子、藤田さいき、臼井麗香、永嶋花音を指導中。
ひざを曲げる時代はもう終わった!?
スウィング理論だけでなく、フィジカルにも精通する大本研太郎プロから驚くべき提言があった。 「ひざは曲げたら終わりです。ボールは飛ばないし曲がるだけです」(大本プロ・以下同) ひざは軽く曲げる、ひざを入れろ、ひざは送れなど、さまざまなレッスンがあったが、大本プロは、「ゴルフはムチの時代からバネの時代へと進化しています。だからひざを曲げる意味はないんです」と語る。その真意とは? 「まず体の構造から説明します。 関節には安定を司るスタビリティ関節と、動きを司るモビリティ関節があります。積極的に動かすべき関節である胸椎や股関節に対し、首、ひじ、腰、ひざは安定させる、つまり動かしてはいけない関節です。世界ランクトップ4のアドレスを見ても、ひざはほとんど曲がっていません(曲がりが浅い)。今のトレンドはまさに“ひざを曲げない”なんです」
大本プロは、ひざは曲げるとモビリティ関節に変わってしまうというのだ。ひざを曲げるほど、動きやすくなり、その結果、軸がブレ、ミスヒットにつながると。 「アマチュアに多いドアスウィングは、ほとんどがニーアクションによるものです。つまりひざの使い過ぎです。一見すると胸も腰も回っているように見えますが、ひざが動いているだけで骨盤は回旋していません。ひざの上に腰が乗っているような状態なんです。これでは軸はブレ、遠心力も使えず、軌道も打点も安定しませんから、ボールが飛ばない&曲がるショットになってしまうのです」 大本プロによれば、この数十年でプロの飛距離は40ヤード伸びたがアマチュアは10ヤードも伸びていないだろうと推察している。 「ニーアクションで飛ばすのは無理だったということです。今の若手でひざを曲げる選手はいませんし、曲げる意識すら持っていません。これこそが、ムチからバネへの進化の証しです。バネのように体を使うには “ひざ”がカギなんですよ」