強さの秘密から意外すぎる悩みまで…女子ゴルフの注目ルーキー・政田夢乃「次世代ヒロイン候補の素顔」
‘24年シーズンの国内女子ゴルフツアーは、年間8勝した竹田麗央(21)が年間女王を手にして幕を閉じた。さらに12月開催の米女子ツアー最終予選には吉田優利(24)、山下美夢有(23)、岩井明愛(22)、岩井千怜(22)、馬場咲希(19)の5人が突破するなど、話題に事欠かない1年だった。 【画像】真剣な表情も絵になる…政田夢乃「ゴーカイショット」にファンも釘付け! そんな“ヒロイン”たちに続き、‘25年シーズンに大ブレイクを予感させるのがプロ2年目を迎える北海道出身の24歳、政田夢乃だ。‘23年にプロテストに合格し、ルーキーイヤーとなった’24年は、ツアー出場資格を左右するQTランキング147位からのスタートとなった。 すると主催者推薦で出場した‘24年5月の『リゾートトラストレディス』で8位に入るなど好成績を上げ、6月に行われたツアー後半戦の出場優先順位を決める「第1回リランキング」も突破。実戦でメキメキと腕を上げ、8月の『NEC軽井沢72』では2位に入って周囲を驚かせた。 ◆現場人気もトップクラスに あどけなさが残る笑顔も人気の秘密だが、かわいらしさとは裏腹にゴルフは攻撃的。ピン側を狙う攻めのゴルフでツアー1年目ながら、自身の最終戦となった11月の『大王製紙エリエールレディス』まで来季のシード獲得を争った。成績が上がるとともに彼女を追うギャラリーの数は膨れ上がった。試合後にできるサインを待つ長蛇の列は、ツアー後半戦では当たり前の光景となっていた。 最終的にメルセデス・ランキング57位で、同50位までに与えられる初シードは逃したが、大健闘の1年だった。それでも11月末に行われた最終予選会(QTファイナルステージ)で9位に入り、来季前半戦の出場権を獲得した。ちなみに会場となった静岡の葛城ゴルフ倶楽部宇刈コースは、強風が吹くことでも有名で、一つ読み違えば致命傷になりかねない。そんな中でも粘り強くスコアをまとめた政田のゴルフには確かな成長を感じた。試合を終えたあとのホッとした表情も印象的だった。 「去年(‘23年)はプロテストが終わって疲れ切っている状態でQTに挑戦したので、何もわかっていない状態でファイナルにも来ることができなかった。今回は今年(’24年)の経験を活かしつつ、攻め方もそうですし、ショットもすごく良くなっているので、そこも活かしながらプレーできなのかなと思います」 ◆「今まで避けてきたこと」 そんな活躍が認められ、12月に行われた年間表彰式の『JLPGAアワード2024』ではベストプレー賞を受賞した。これは3月から11月の間に選出された9人の“スーパープレー”の中から、さらにファン、選手、大会関係者、メディアによる投票を実施して、年間最優秀プレーを決めるというもの。これに政田のプレーが選ばれたのだ。受賞の決め手となった『ニトリレディス』最終日16番ホール(パー3)でペタピンにつけたティーショットは、まさに“攻めのゴルフ”が詰まった一打だったと言える。 授賞式の壇上ではエメラルドグリーンのレースのドレスにも注目が集まったが、この舞台のために用意したもの。受賞の心境については、 「あれは優勝を狙うための一打でもあったので、狭いところを狙ってバーディが取れて、いい一打でした。(ファン投票が多かったことは)すごくうれしくて、今もすごくビックリしてます。(‘25年は)優勝ができるように頑張りたいので応援よろしくお願いします」 と語っていた。 シーズンを終えた政田の12月のオフは、各種イベント参加やスポンサーへのあいさつ回りで大忙し。合間をにぬって、自身2回目となった「新人セミナー」にも参加した。 改めてテーブルマナーなどを学び直した形だが、スポンサー企業との会食で困っていたのが果物の食べ方だったという。24歳といえばまだ社会人2年目くらいだろう。わからないことだらけなのは当然だが、「なるべく難しいものは食べないようにしていた」という。それでもセミナー後には、 「難しい系の果物の食べ方をもう一度教わったので、来年はチャレンジしてみたいです(笑)」 と笑いながら話す姿が印象的だった。‘24年はシード獲得のために必死で、落ち着いて周囲を見渡す余裕もなかったに違いない。すべてをゴルフに注ぎ込んだ一年だったが、戦いを終えて、ようやく素の表情を見たような気がした。 それでも、もう次の戦いを見据えている。‘25年シーズンは3月の開幕戦から出場できることになり、 「’24年シーズンは最終日に崩すことが多かったので、そこが一番の課題です。飛距離を伸ばして、セカンドでもピンをデッド(真っ直ぐ)に狙っていけるように、少しでも下の(短い)番手で打てるように頑張りたい」 と語っていた。そして自身のインスタグラムでもこう綴っている。 〈次は優勝者として(JLPGA)アワードに帰って来るぞ!〉 初優勝への決意を強く心に誓った政田。‘25年はさらなるブレイクに期待がかかる。 取材・文:金明昱(キム・ミョンウ)
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