レッドブルF1、ファンのデザインを使用する特別カラーリング計画を中止。ライバルとの激戦のなかマシン重量増加を回避
レッドブル・レーシングは、F1第18戦シンガポールGPと第19戦アメリカGPで計画していたファンの意見を取り入れたカラーリングについて、追加の重量がマシンのパフォーマンスに与える影響を懸念し、断念せざるを得なくなった。 【写真】2024年F1第17戦アゼルバイジャンGP セルジオ・ペレス(レッドブル)&カルロス・サインツ(フェラーリ) レッドブルは今年初め、イギリス、シンガポール、アメリカの3つのグランプリレース向けに、ユニークなカラーリングをデザインするサポーターを募るファン主導のコンテストを立ち上げた。優勝したデザインはRB20に採用され、制作者にはチームのVIPゲストとしてレースに参加する機会が与えられる予定だった。最初の『REBL CSTMS』デザインはシルバーストンで注目を集め、ファンの創造性がマシン上で発揮された。 しかし、チームは今後のレースでこのコンセプトを繰り返す計画を中止しなければならなかった。レッドブルが今週末のマリーナベイでのレースに向けて準備を進めるなか、新しいペイントスキームは見た目は魅力的である一方で、RB20の重量を約1kg増加させることが明らかになった。 これは些細なことのように思えるかもしれないが、特にレッドブルが今シーズンにマクラーレン、フェラーリ、メルセデスと激しい競争を繰り広げている状況では、ほんのわずかな重量増加でもパフォーマンスに顕著な影響を及ぼす可能性がある。世界選手権を争う戦いの差はわずかであることから、チームはパフォーマンスへの影響がいかに小さく見えても、危険を冒す余裕はないと判断した。 そのため、レッドブルは残りのシーズンではファンとの取り組みよりもパフォーマンスを優先することを選択した。 チームは声明のなかで、この決定について次のように説明した。 「残念ながら、REBL CUSTMSのデザインがRB20でどのように見えるかテストする段階で、これらの特注の、マシン全体をカバーするカラーリングを作成するために使用された塗料が、RB20のボディワークに予期せぬ過度の重量を加えていることが判明した」 「想像されるように、重量が増加するとパフォーマンスは低下する。チームは、2024年シーズンの残りの期間でこのマシンを可能な限り競争力のあるものにすることを引き続き優先していく」 チームはこの取り組みを断念せざるを得なかったことについて遺憾の意を表明した。 「大変残念なことだが、チームはシンガポールGPとアメリカGPでRB20にREBL CUSTMSのカラーリングを施さないという決定を下した」 レッドブルの決定は、F1においては、わずかなパフォーマンスの妥協でも大きな違いを生む可能性があり、僅差の利益に大きな重点が置かれていることを浮き彫りにしている。チームのクリエイティブなファンたちは、シンガポールとオースティンのコース上で彼らのデザインを見ることができないが、チームの優先事項はチャンピオンシップタイトル獲得に向けて可能な限り最高の結果を確保することにある。 [オートスポーツweb 2024年09月19日]