年金夫婦で「月28万円」もらえるはずが…同い年の夫を亡くした65歳・共働き妻、年金事務所の窓口で告げられた〈衝撃の遺族年金額〉に絶望「こんな仕打ち、ありますか?」【FPの助言】
老後の生活のため、夫婦で70歳まで年金の繰下げ受給をすることを選択した60代の共働き夫婦、金田さん(仮名)。しかし、65歳を迎えた矢先、夫が逝去。悲しみのなか、年金事務所に訪れた妻は、今後受け取れる年金について、思いがけない事実を目の当たりにします。いったい何が起きたのでしょうか? ファイナンシャルプランナーの辻本剛士氏が、遺族年金において見落とされがちな「落とし穴」について解説します。 ▼【早見表】年金に頼らず「1人で生きるなら」貯金はいくら必要?80歳で2,400万円、90歳で4,600万円…120歳まで早分かり
世帯年収600万円、共働きで生活を営んできた60代夫婦
金田まりさん(仮名・65歳)は夫の誠さん(仮名・65歳)と2人暮らしです。これまで夫婦共働きで生活しており、それぞれが家事や育児を協力し合って過ごしてきました。 夫の誠さんは35歳まで自動車メーカーの修理課で働いていましたが、上司との関係性が上手くいかず退職することになります。その後は個人事業主して独立し、自動車修理工場で働いていました。そんな誠さんの現在の年収は360万円です。 一方、妻のまりさんは、貿易会社の事務職として65歳まで働いてきました。年収は300万円です。個々での収入水準はそれほど高いものとはいえませんが、世帯年収としては十分な金額です。
老後生活を安定したものにするべく、年金の「繰下げ受給」を選択する
そんな金田さん夫婦は今年65歳を迎えることになり、年金の繰下げ受給を選択したのでした。 前回送られてきた「ねんきん定期便」によると、金田さん夫婦の年金見込み額は、まりさんが130万円(老齢基礎年金75万円・老齢厚生年金55万円)、一方の夫は110万円(老齢基礎年金75万円・老齢厚生年金35万円)です。 夫婦で月20万円程の年金を受給できることになりますが、老後生活を安心して送るに少し物足りないと金田さんは感じていたのでした。 また、夫は65歳以降も仕事量を減らしながら働く予定で、妻のほうも現在の職場で年収は250万円まで減額するものの、引き続き勤務できるとのことです。そのため、65歳以降も収入面ではそれほど問題がなさそうだったため、65歳からの年金を70歳まで繰り下げることを決意しました。 ねんきん定期便には、年金を繰り下げると1ヵ月ごとに0.7%将来の年金が増額し、70歳まで繰り下げると42%も年金が増えることが記載されています。つまり、現在の年金見込み額は夫婦月20万円であることから、70歳まで年金繰り下げると28万4,000円まで増額できる計算です。 毎月28万円の収入があれば、老後生活も困窮することなく暮らしていけそうだと金田さん夫婦は考えていました。金田さん夫婦は「もうしばらくの間仕事をがんばって、70歳からはのんびり暮らそう」と誓ったのでした。
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