どうなるSHEIN? 関税免除の撤廃、第二次トランプ政権による厳しい課税など越境ECの少額輸入規制を進める米国の動向
バイデン政権、デミニミスルールの乱用を懸念。SHEIN Grpupら中国EC企業が恩恵を受けない方向に修正
■ 関税免除の出荷額増加を受けて改革 米国のバイデン政権は2024年9月、特に中国のECプラットフォーム(「Temu」や「SHEIN」を含む)を対象に「デミニミスルールによる通関免除の乱用」を抑制することを目的とした新しい規則を提案しました。ホワイトハウスによると、このデミニミスルールによって関税が免除された商品の年間出荷額は、過去10年間で1億4000万ドルから10億ドル以上に急増したと言います。 提案されている新しい規則では、アメリカ関税法301条、232条、201条の関税の対象となる貨物(中国の繊維・アパレル製品、鉄鋼製品など)は、デミニミスルールの恩恵から除外されます。これらの貨物は関税、検査の強化、標準的な貨物報告要件に準拠することになり、標準的な貨物の輸入と同様のルールが適用されます。 ■ SHEIN Grpupは見直しを提言 従来のデミニミスルールの適用による無関税の権利を失うと、「SHEIN」は値上げを余儀なくされ、サプライチェーンの見直しに多額の投資をしなくてはならなくなる可能性が高くなります。 SHEIN Grpupは貿易改革に協力する意向を示しつつ、2023年7月付のアメリカン・アパレル&フットウェア協会への書簡で、タン氏はデミニミスルール修正の「完全な見直し」を求めました。 ┌────────── SHEIN Grpupは、より公平で透明性のある競争の場を作るために、米国政権が新しく提唱しているデミニミスルールの枠組みを改革するべきだと考えています。すべての小売事業者が同じルールを守り、企業の拠点や出荷国に関係なく、ルールが均等かつ平等に適用されるべきです。(タン氏) └────────── ■ 第二次トランプ政権、中国輸入品にさらに厳しい課税を計画 第二次トランプ政権が誕生すれば、こうした圧力はさらに強まる可能性があります。対中貿易にタカ派的な姿勢で知られるドナルド・トランプ次期大統領は、以前にも中国からの輸入品に高率の関税を課しており、今回も中国からの輸入品には関税を引き上げて一律60%を課す計画を持ち出しています。 このような関税引き上げは、中国の輸出依存産業、ひいてはSHEIN Grpupのようなグローバルプレーヤーに大きな影響を与える可能性があります。