私立高生徒、経済的理由の中退が増加…全国私教連
経済的理由による私立高校生の中退者数、中退者の割合が増えていることが2024年11月20日、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査結果から明らかになった。学費を滞納する生徒と割合は減少しているが、国の高等学校等就学支援金の所得要件を超えないように働き方を制限しているケースもあり、所得制限の撤廃を求める意見が多く寄せられた。 【画像】学費滞納生徒数と経済的理由による中退生徒数の推移(高校)
調査は私立高校・中学校において、2024年4月1日から9月末現在、3か月以上および6か月以上の学費滞納、経済的理由での中途退学した生徒とその状況について調べたもの。加盟校を中心に36都道府県の私立高校345校(生徒数28万5,738人)、26都道府県の私立中学校168校(生徒数6万3,465人)から回答を得た。
私立高校で3か月以上学費を滞納した生徒は、36都道府県209校に1,724人いた。就学支援金制度の拡充により調査史上最少となった2020年の1,407人から、2021年1,432人、2022年1,619人、2023年2,125人と上昇が続いてきたが、2024年は1,724人に下降。3か月以上学費を滞納した生徒の割合は0.6%で、前年の0.68%から0.08ポイント減となった。
全国の滞納率(滞納生徒数/調査対象全生徒数)0.6%を超える自治体は、「岡山」2.18%、「青森」1.7%、「高知」1.68%、「岩手」「大阪」1.63%、「山形」1.03%、「兵庫」0.95%、「愛媛」0.93%、「福島」0.9%、「宮城」0.83%、「新潟」「山口」0.76%、「茨城」0.65%、「埼玉」0.63%、「福岡」0.62%、「熊本」0.6%の16府県。前年9月末調査比で5県増加している。
6か月以上学費を滞納した生徒は、121校に624人。調査対象者に占める割合は0.22%。前年を0.01ポイント下回ったが、高等学校等就学支援金の制度拡充時の2020年0.17%、2021年0.14%と比較すると、0.2%を上回ったままとなっている。