今さら聞けない50・60代からの「新NISA」のキホン 投資で効率よくお金を増やすための心強い制度
「100歳まで暮らすためには1812万円足りない」という例に基づいて考えます。実際にはその額が一度に必要になるわけではなく、取り崩しながら使うはずです。 70歳から100歳までの間に月5万円取り崩すと1800万円になるので、これを目安に考えてみます。使っていないぶんは引き続き運用して増やすことができるので、70歳時点で1800万円の満額を用意できていなくても大丈夫です。 図は、70歳から100歳まで、年利回り5%で運用しながら月に5万円ずつ取り崩して使いたい場合、70歳までにいくら積み立てておけばよいかというシミュレーションです。
60歳から70歳まで積み立てる場合は、月々6万1093円投資すればよいということになります。 ●老後資金の形成が目的なら投資信託だけで十分 50代・60代の投資初心者には、投資信託を活用した長期積立投資がおすすめです。新NISAで投資する目的が、老後の生活や趣味などのための資金づくりであれば、投資信託を活用するだけで十分です。 ●投資信託のメリット ①少額で分散投資ができる 投資信託は、1万円程度(積み立ての場合はさらに少額から可能)から購入でき、その中で数十~数千の投資対象に分散投資されています。分散投資の効果で、個別に株式投資をするよりもリスクを抑えることができます。
②専門家が運用してくれる 専門家が個別の銘柄選定や売買などをするので、投資家は株式などに対する分析や運用判断をする必要がありません。 ③個人では投資しにくい資産へ投資できる 海外の株式などは、個人では買いにくい場合が多く、また、運用に必要な海外の情報を、個人で収集するのは大変です。投資信託であれば、そうした海外の金融商品にも、手軽に投資ができます。 ④透明性が高い 信託銀行が分別保管しているため、運用会社や信託銀行が破綻するようなことがあったとしても、投資信託の資産は、そのときの時価で守られる仕組みになっています。また、運用成績やリスクの大きさなどが公表されているので、自分に合った商品が選びやすく、安心です。
■積立額の決め方 何%で運用しながら取り崩すのかによって、積立額は変わります。実際には、取り崩しをはじめたら、リスクを抑えた運用(=リターンも低くなる)に切り替える場合もあるでしょう。 リスクの取り方を考えたうえで、目標額と積立金額を決めましょう。
工藤 将太郎 :クレア・ライフ・パートナーズ代表取締役社長