今さら聞けない50・60代からの「新NISA」のキホン 投資で効率よくお金を増やすための心強い制度
■今こそ「貯蓄から投資へ」 新NISAがはじまったことで、多くの方が「貯蓄から投資へ」を実践しはじめています。 ●日本の家計に眠る、巨額の預貯金 2024年第1四半期を対象とした「資金循環統計」(日本銀行)によると、日本の家計が保有する現金と預貯金の残高は1100兆円を超え、家計の資産のうち約51%を占めています。一方、投資信託や株式などは20%程度です。 米国では逆に現預金が約12%、投資信託や株式などが約53%です。また、投資割合が多い米国は、20年超で家計資産が日本の倍以上増えています(図)。
●新NISAで目指す資産所得倍増 家計の預貯金などが株式投資に向かえば、企業が成長するための原資になります。企業が稼ぐ力を高めれば、株主に収益をより還元できるようになり、家計が投資で得る利益も増加します。このような好循環を築くための施策の目玉が新NISAです。 新NISAで投資された額の累計は、2024年5月に6兆円を超え、前年に旧NISAで投資された額の4.2倍となりました。 貯蓄から投資への流れは確実に進んでいます。好循環を始める経済の恩恵を受けるため、「貯蓄から投資へ」を実践しましょう。
■基本は積み立て! 50代・60代の基本戦略は、働けるうちに収入を積立投資し、資産形成を行うことです。 ●50代・60代は資産形成を始めるラストチャンス 50代・60代から老後資金を作るための基本的な方法は、積立投資です。この年代はお金を貯めやすい最後の時期です。働けるうちは働き、生活費以上の収入を確保して積立投資をすることが基本戦略です。 50代・60代から積立投資をした場合の、資産の増え方を見てみましょう。
図は、毎月13万円を年利回り5%(年複利)で積立投資をした場合のシミュレーションです。 このシミュレーションに基づくと、70歳までに作ることができる資産額は、55歳から投資を開始した場合は3457万円、65歳からでも885万円となります。今からでも始める価値があるといえるでしょう。 ●リスク許容度や目標額に応じたリスクの取り方が大切 「年利回り5%」の達成を目指すには、それなりにリスクをとった投資をする必要があります。