「政治改革の実現」軸に、野党結集を呼びかける立憲民主…慎重姿勢を崩さない維新・国民民主
立憲民主党の野田代表が、「政治改革の実現」を結集軸とした連携を他党に呼びかけている。国民の「政治とカネ」を巡る問題への不信感は依然根強いとみて、衆院で過半数割れとなった与党をさらに追い込む狙いがある。ただ、基本政策の一致を重視する日本維新の会や国民民主党は連携への慎重姿勢を崩しておらず、実現は見通せていない。
「民意は、政治とカネの問題による自公政権への『ノー』だ。政権を変えるために協力をお願いしたい」
野田氏は30日、国会内で会談した維新の馬場代表にこう伝え、首相指名選挙で、自らに投票するよう求めた。
野田氏は会談後、記者団に対し、他党との連携協議を巡って、「基本政策の違いを指摘する向きもある」としつつも、11月11日召集予定の特別国会までの時間が短いことから、「(政策を)詰めることは困難なので、むしろ一致点を見いだしていく。大前提は『本気の政治改革』だ」と強調した。政治改革を旗印とした野党結集を目指す考えを示したものだ。
これに対し、馬場氏は会談後、記者団に「基本政策の一致がないと『野田』とは書けない」との立場を明確にした。「意味のない迎合は国民から何をしているんだと見られる」とも説明した。安易に立民との連携に踏み切れば、「党の軸がぶれたと判断され、支持者が離れる」(維新幹部)との懸念があるためだ。
野田氏は30日、共産党の田村委員長とも会談し、連携を呼びかけた。共産は、政治改革の推進を条件に、首相指名選挙などでの連携を検討する考えだ。
立民は、国民にも党首会談の開催を求めている。玉木氏は30日、記者団に「基本政策の協議ということであれば、党首間でやりたい」と述べた。だが、国民は与党との政策面での連携も模索しており、30日は党首会談は実施されなかった。国民内には、「泉健太前代表の時よりも格段に(党首間の)コミュニケーションが落ちている」(玉木氏)との見方もある。
首相指名選挙で、維新や国民からの協力が得られなければ、今後の野党結集には黄信号がともりかねない。国民幹部は「野党をまとめきれなければ、野党第1党としての責任が問われる」と指摘した。