大阪府・吉村知事が定例会見6月23日(全文4完)ゴールドステッカーは7月11日で終わるものではない
転院しないと次に新しい患者が入院できない
転院が進まないもう1つの理由としたら、やはり、患者さんとか家族の立場に立てば、一度入院しているわけですから、途中で入院っていうのはできるだけやっぱりやめてもらいたいと思われる方も多いです。これは医療の現場です。これは僕が逆の立場でもそうだと思います。コロナではもう治療、人にうつす可能性がなくなったとしても、もともと持っている病気だとか、あるいはADLが下がっている、自律機能が低いということで、なかなか、退院はできないんですけれども、他人にうつさない状況になっている。でも、そこで治療してきてもらったわけですから、退院するまでの間、そこでできるだけ、あるいは最後まで診てもらいたいという思いを患者さん、ご家族の方が持つのは当然のことだと思います。また、お医者さんのほうも、治療をしたわけですから、転院ではなくて自分のところで最後まで診ようという思いがやっぱり強くなります。 そうなってくると、転院をすること、それでも転院がなぜ必要かっていうと、やっぱり医療が逼迫してくると、コロナ治療できる病床というのは限られているわけですから、コロナを他人にうつさない、コロナ治療として終わっている方については、やはり転院をしていただかないと、次、新しい患者さんが入院できないということになってしまいます。 だから全体最適で見ると転院というのはどんどん進めていくべきなんですけど、個別最適で見ると、病院も患者さんもなかなか転院というのは、なかなか積極的に進めていかないということになる傾向にある。これ、どちらが正解というわけではないんですけど、もうそういうことだと思います。
転院調整がうまくいかなかった事実をどう考える
なので、われわれとしたら、病院も、これは転院を支援してもらったほうが、病院としてもやりやすいことは当然ありますから、われわれとしても病院支援という形で、転院を、サポートチームをつくって、またシステムをつくって、今後、力を入れてやっていきたいと思っています。 また、患者さん、ご家族の皆さんにも、そこについてはご理解をお願いしたいと思います。例えばコロナ治療で入院して、非常に大きな病院で入院されていた。それが転院して、そうじゃない病院に転院となると、これは何か、軽く見られているんじゃないかと思われるかもしれませんが、そういうわけではありませんので、どうしても、コロナの患者さんを診ていくという意味では、コロナの治療が終了した段階においては、やはり個別で転院をお願いしていくということも、まだ入院されていない方にとっては必要なことではないかというふうに思っているので、進めていきたいと思っています。 関西テレビ放送:あくまでも第4波の状況を受けて、転退院のサポートチームというのを立ち上げられたと思うんですけれども、第4波で、そういう転院調整というのがなかなかうまくいかなかったという事実については、知事はあらためてどう考えられていますでしょうか。 吉村:ええ、それはあると思います。だから先ほど申し上げたとおり、そういった状況もある中で、じゃあ今まで何をしてたかっていうと、まず転院の、病床の確保はやりました。1400床近い、後方支援病院の確保はやりました。そしてリストも作りました。リストを作って、送り出し病院にお渡しをするということはやりました。 併せて、非常に入院が長期になっている方についてはどうなっていますかということを、個別に、医療部から病院に声掛けをすることはありましたが、具体的なマッチングまではやっていませんでしたし、そういうシステムもありませんでした。これは全国どこでもそうだと思います。 なので、今回第4波を受けて、やはり感染が急拡大したときには、病床の確保だけじゃなくて、やはり病床で治療していただける数を、受け入れ能力を増やすということも重要になってくるので、そういった意味では、第5波に備えた策として、第4波でも受け入れ病院、受け入れ病床の確保等はやってきたわけですけれども、やはり不十分な点はあったと思うので、より積極的にアウトリーチして対応するということをやっていきたいと思います。 司会:それでは次お願いします。