小池都知事が記者会見1月18日(全文1)きちんと発信した方が良かった
JOC竹田会長の贈賄疑惑についてどう思うか
朝日新聞:ありがとうございました。それでは幹事社の朝日新聞からまず何点か質問させていただきたいと思います。まず1点目は、JOCの竹田会長についてなんですけれども、フランス当局が招致をめぐって疑惑があるということで、汚職疑惑があるということで本格的な捜査に乗り出しているということで、今週には竹田会長の会見も開かれて、会長自身は疑惑を否定されていたわけではあるんですけれども。まずそういった事態が今、行われていることをあらためてどう思われるかということと、先日の竹田会長の会見が質疑なしで7分間で終わるということで、ちょっと説明不足じゃないかというような意見が結構出ているのと、それに応じてオリンピック・パラリンピックそのものへのイメージの悪化というものが危惧されるところではあるんですけれども、その辺り知事としてどのように思ってらっしゃるのか。 小池:はい。この件については以前から調査が行われ、またJOCのほうからも調査報告書がまとめて出されたこと、承知をいたしております。去年、おととしでしょうか。そして今、こうやってまたフランスのほうで問題になっているということ、とても心配していますし、おっしゃいますように機運の醸成というの、さあこれからだといったときに、ちょっと残念な思いというか、かなり残念な思いでございます。 先ほどの記者会見についても、せっかくの機会であったら、発信もきちんとされていただいたほうが良かったのかなと。裁判が絡みますと、あまりしゃべらないほうがいいとかいろんな意見もあるんでしょうけれども、やはりしっかり伝わるようにしていただきたかったというふうに思っております。 都としましても、都は当事者そのものでございます、ホストシティーとして。今回、私もあらためてこの問題確認をしたところ、招致委員会、これはもうすでに解散している。当時はNPO、任意団体であったということで、情報の保全が当時の副会長の方が管財人的に保管をしておられるということで、都のほうからは、都にいろいろ情報開示のお知らせがあっても、そこは不存在としか答えようがないというのは、私はそういった情報保全の在り方についても課題は残していると思います。 翻って今、招致委員会は招致が成功した時点で解散をしたからこそ、そういう事態に陥ったわけでありますけれども、これから組織委員会が2020年、大会を成功裏に終えたあと解散をされるということになりますと、その情報の保全はどうあるべきかっていうのは、実は今からもうしっかりやっておく必要があるのじゃないかということを感じております。 また都としても、そういう意味で情報の保全は、今回のこの組織委員会っていうのは任意団体ではなくて財団法人という位置付けですから、法律的にも情報の保全は10年間ですか。すべしということにはなっておりますけれども、やはりこれまでのいろいろな大会においても、どういう経過でどうなったかっていうのは必ず残念ながら問題になることが多い。であるならば、今から、もう情報の保全についてはしっかりしておくという準備をすべきだと、私はこう考えております。組織委員会のほうともその点については今後の在り方、連携していきたいというふうに思っております。 いずれにしてましても今後の捜査が、特にフランス側で行われるということで、なかなか分かりづらいところではありますけれども、都とすればしっかりと準備を加速させると同時に、機運に水を差さないようなさまざまな工夫もしながら、そしてまた世界に向かっては潔白であるということをしっかりとJOCのほうからも発信をしていただきたいと、このように思っております。 【書き起こし】小池都知事が記者会見(2019年1月18日) 全文2に続く