医師が考案、歩くよりも体にいい「すごい足踏み」とは…「歩くのがしんどい」という悩みが増加している
大内転筋は、下半身有数の大きさを誇る筋肉です。太ももの前側にある「大腿四頭筋」、お尻の大部分を覆っている「大殿筋」に次いで大きい筋肉とされています。 ところが、この大内転筋は日常生活では使われにくい傾向があり、歩くことではさほど大きな刺激・活性化・トレーニングにつながらない筋肉とされています。こうした特徴を考慮して、「すごい足踏み」の中には、大内転筋にうまく作用する動きを取り入れているのです。 また、前述した大腿四頭筋や大殿筋はもちろんのこと、他にも下半身の大きな筋肉はほとんどカバーしていて、ターゲットになる筋肉を最も効率的に刺激・活性化・トレーニングできるように設計しています。
いわゆる「普通の足踏み」との比較ともなると、「すごい足踏み」のほうが圧倒的にすぐれた健康法と断言できます。 普通の足踏みは、左右の足を交互に上下するだけの単純な動きなので、使われる筋肉は限定されます。一方、「すごい足踏み」を行えば、普通の足踏みでも使われない大内転筋はもちろん、すねの前側にある「前脛骨筋」などもうまく刺激・活性化・トレーニングできるので、よりいっそうの健康効果を得られるのです。 ■「すごい足踏み」で“毎日の歩数”が増える
「すごい足踏み」は、歩くときと同じ筋肉を刺激・活性化・トレーニングできるので、床に足をつける1動作がおよそ1歩に相当します。ですから、「すごい足踏み」を行えば、普段歩けていない人も、歩くのが困難な人も、歩数を増やすことができるのです。 もちろん、ものごとには限度がありますし、ひざ痛や腰痛がある人は痛みが出ない程度にするなどの加減は必要ですが、歩数を増やす手段として非常に有効なことは間違いありません。
ですから、くり返し行っているうちに、「普通の歩行での歩数+『すごい足踏み』での歩数」の合計が、日本人の平均歩数(男性6793歩、女性5832歩)を上回ることは十分可能ですし、中之条研究での病気別の予防に有効な歩数に近づくこともできるわけです。 中之条研究とは、群馬県中之条町で65歳以上の住民を対象に実施された調査で、歩行と健康の関連性を明らかにしたものです。1日2000歩以上の運動量を確保すれば、寝たきりの予防に効果があり、4000歩でうつ病、8000歩で糖尿病、高血圧、脂質異常症などに効果があるとされています。