中央官庁情報 警察庁 個人の生命・身体や財産の保護と公共の安全・秩序の維持を目的に 受験ジャーナル
国家公務員総合職試験,一般職試験に合格すると,その主な職場は「国の行政機関」である1府12省庁,つまり,内閣府および11省+国家公安委員会(警察庁)となる。さらに各省の下には外局である庁や委員会が置かれており,地方に出先機関を設けている省庁も多い。国家公務員の職場は実に幅が広いといえるだろう。それぞれの官庁が取り組んでいる仕事内容や課題などを紹介する。 ■全国的見地から都道府県警を指揮・監督 国民の安全安心を確保することは国家発展の基盤であり,警察庁はこのような国の礎たる治安に関する広範な事務を所掌する官庁である。 警察行政は社会・国家を治める根源的・本質的なものであり,すべての行政の母体深淵であると同時に,国家社会の発展,人間社会の複雑化に応じて常に新たなものを生み出し,社会のニーズに応えていくものである。 現在のわが国の警察組織は,国の警察機関である警察庁と,各都道府県における第一次的治安責任を担う都道府県警察から構成されている。警察庁は全国約30万人の職員を擁する警察組織の中枢機関として,各種政策の企画・立案等に当たるとともに,その所掌事務の範囲内で都道府県警察の指揮・監督を行うことにより,個人の権利と自由を保護し,公共の安全と秩序の維持に当たっている。 警察庁の組織構成は,以下のとおりである。 ■内部部局 〈長官官房〉長官官房は,警察行政に関する企画・立案・総合調整,政策評価,組織管理,広報,情報公開,人事・定員管理,予算要求や物品等の管理,警察装備の開発・整備,被害者支援,国際協力,警察通信等の側面から,各部門がその事務を円滑に遂行するための支えとなっている。 〈生活安全局〉生活安全局では,犯罪情勢の分析等に基づく効果的な犯罪防止に向けた取組み,犯罪被害に遭いにくい安全安心なまちづくりの推進,交番等を中心とした地域警察活動,少年非行防止対策,風俗環境浄化対策,悪質商法・ヤミ金融事犯,知的財産権侵害事犯,環境事犯等の生活経済事犯の取締り等,国民が安全に安心して暮らせる社会の構築に向けた幅広い業務を行っている。 〈刑事局〉刑事局では,都道府県警察における重要な刑事事件の捜査に対する国家的・広域的観点からの指導・調整のほか,刑事警察に関する制度の企画・立案,捜査手法に関する法的・技術的観点からの調査研究,犯罪捜査に関する知識・技能の向上を図るための警察官に対する刑事教養の実施,装備資機材や捜査支援システムの整備等に取り組んでいる。