その症状、食物アレルギーかも? 対処法と予防法を医師が解説
※この記事は、海外のサイト『Prevention』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 食物アレルギーは子供に起こることが多いけれど、大人でも食物アレルギーの診断を受けることがある。2020年1月、ストレスの多い日常を過ごしていたグレース・ガスリーさんは、彼氏のダンカンさんとアーカンソー州オザーク山地で過ごす週末を楽しみにしていた。この地域には素敵な美術館や博物館、きれいな山の景色が楽しめるうえ、彼女の両親が有名レストランのギフト券をプレゼントしてくれたという。 美術館を訪れ、ランチを食べようと併設のカフェに立ち寄った二人。カンザス大学メディカルセンターで現在栄養士のインターンをしている29歳のガスリーさんは、幼児の頃にピーナッツに対してひどい反応があったことから、自分が強いピーナッツアレルギーであることは知っていた。とはいえ彼女は木の実アレルギーではなかったので、店員に自分がピーナッツアレルギーであることを伝え、カシューナッツとさつまいものスープ、それとグリルドチーズサンドイッチを注文。食事はおいしかったけれど、スープの最初の一口を食べてから10分後、口がピリピリして喉の奥にしこりを感じた。ピーナッツアレルギーの発作を何十回も経験している彼女は、口のピリピリ感がアレルギー症状の最初の兆候であることに気付いていた。とはいえ、以前彼女がほんの少しピーナッツを摂取した際のアレルギー症状は軽かったため(今回もその時と同じで、スープに偶然ピーナッツが紛れ込んだのかもしれないと思った)、「過剰に反応して彼を心配させたくなかったので、その時点では何も言わなかった」という。 そうしてギャラリーの散策を始めたところ、彼女に鼻水とくしゃみの症状が出始めた。ガスリーさんはアレルギー反応を鎮めるために女子トイレに駆け込みベナドリルを飲んだが、それから数分後、喉が締め付けられて乾いていく感じを経験。少し呼吸が苦しくなったガスリーさんは、かすれたガラガラ声でダンカンさんにすぐに救急外来に連れていくよう伝えた。 数分後病院に到着するまでに彼女の副鼻腔は異常に腫れ上がり、そのせいで痒みを伴う目はバッタのように見開いていた。胸、首、顔にじんましんが出て、大変なことに呼吸困難にもなっていた。体がすぐに治療を受けなければ死ぬかもしれないと感じたからか、心臓の動悸が激しくなっていた。救急外来の看護師にピーナッツアレルギーが出たと告げた瞬間、彼らはすぐにガスリーさんを処置室に連れて行った。「そこでようやく気持ちが落ち着きました。必要な治療がすぐ受けられると安心したからです」と彼女は思い返す。