【鈴鹿8耐】ヨシムラSERT、急遽起用のMoto2アレナスもしっかり活躍。初鈴鹿8耐で3位に「感謝の気持ちでいっぱい」僚友の渥美心も高評価
2024年の鈴鹿8時間耐久ロードレースで3位となった12号車Yoshimura SERT Motulからは、Moto2ライダーで2020年のMoto3王者であるアルベルト・アレナスが急遽参戦した。 【ギャラリー】今年もアツい! 2024鈴鹿8時間耐久ロードレース アレナスとしてはいきなりの鈴鹿8耐だったものの、チームに歓迎され、好リザルトを持ち帰れたことに喜びもひとしおのようだ。 12号車Yoshimura SERT MotulはEWC(世界耐久選手権)のフル参戦チームのひとつ。鈴鹿8耐はシーズン第3戦として組み込まれており、1号車YART YAMAHAとのタイトル争いを繰り広げている状況にあった。 ただ12号車Yoshimura SERTは、鈴鹿8耐メンバーだったグレッグ・ブラックが6月のテストで怪我を負う事態となってしまった。そして、鈴鹿8耐本番を目前にしたタイミングで、アレナスの起用が決まった。 ギリギリのタイミングで参戦が決まったアレナスは、水曜日のテストデーも参加できず。ぶっつけ本番の形で鈴鹿8耐のレースウィークに入った。 タイトル争いを繰り広げている12号車が、決勝レースでアレナスを出走させるかどうかも注目されたが、チームはレース中盤にアレナスを送り出した。 アレナスはこのスティントをしっかりと走り、チームメイトの渥美心にバトンをパス。終盤は渥美とダン・リンフットのふたりでスティントを回し、12号車は3位フィニッシュ。アレナスは1回のスティントのみではあったが、初の鈴鹿8耐で表彰台という好結果を得た。 「本当に素晴らしい週末になったと思う。本当にハッピーエンドになって、とても嬉しいよ」 レース後、アレナスはそう語った。 「(最初にのチームへ加わった)1日目から、チームが本当に歓迎してくれた。僕は全くここ(鈴鹿)で走ったこともないから、全く知らない新しいトラック、新しいタイヤ、新しいバイクだった」 「そして世界タイトルを争っているチームに突然やってきたわけだから、そのプレッシャーというのはかなりあった。でもチームが、本当にウェルカムしてくれて、サポートしてくれた。感謝したい」 「そして素晴らしいチームメイトに恵まれた。僕は本当に今回表彰台に上がることができて本当に嬉しいし、ラッキーだと思っている。Yoshimura SERTには本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。ありがとう」 そんなアレナスの走りについて、最終スティントで2号車DUCATI TEAM KAGAYAMAのハフィス・シャーリンとのバトルを制して表彰台を手繰り寄せた渥美心も、”さすがMoto2ライダー”だと称えている。 「アルベルトは今回、練習走行の日は走ることができていませんでした。ただ決勝を走るかどうか分からないという中でも、しっかりと準備をして、突然のスティントを走ったわけですけど、しっかりと仕事をしてくれました」 「本当に素晴らしいライダーだと思いましたし、さすがはMoto2ライダーだなと思います」 なお渥美は今年からYoshimura SERTで開発兼第4ライダーを務めている。ただ今年のレースへの参加は今回の鈴鹿8耐が初めてだった。 「初めての鈴鹿8耐の表彰台なので(3位は)素直に嬉しいです」 「Yoshimura SERTには去年のボルドールから加入して、開発兼第4ライダーとしてチームの仕事を見てきたりとか、冬は開発をして上手くいったんですけど、なかなかレースの機会がありませんでした」 「しかし『8耐は走ると思うよ』という話だったので、ここに向けて準備をしてきました」 「今回のメインの目的は、YARTの皆さんに(最終戦)ボルドールまでに離されないようにするということでした。ここまでは(Yoshimura SERTが)ランキングトップだったので」 「今回で逆転されちゃったんですが、それでも離されないというのがメインの目的でした。YARTさんが2位で、僕らが3位を取れたというのは、ボルドールに繋がることだとと思いますし、チームのこと信じてやってきて、本当によかったと思っています」
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