共働き家庭も参戦、加熱する首都圏での小学校受験「整った環境で学習させたい」親の想い
■学童保育付き、オンライン…共働き夫婦に魅力的な学校も
実際、私立小学校にお子さんを通わせている共働きの親は多く、私立小学校ならではのサポートもあるといいます。 「先日聖心女子学院初等科にお子さんを通わせているお母さんのお話を聞く会をコノユメSCHOOLで行ったのですが、その方が『体感的には働いている母親の方が多い』とおっしゃっていたんです。聖心女子学院初等科や東京農業大学稲花小学校、さとえ学園小学校など学童保育がついている学校もありますし、お母さんが働いていても通いやすいような学校もあります」 親が時間のやりくりをできたとしても、幼い頃から受験を経験することは、子ども自身の幸せにつながるのでしょうか? 「受験しなければ、子どもと公園に行ってお花を見て春だねっていうこともないし、洗濯物のたたみ方を教えることもないし、忙しい中ペーパーに向き合う時間をとることも、食事の配膳を意識することも、たぶんないと思うんですよね。受験って合否が出るので、最終的に『否』となった時に親も子ども自分のせいしてしまいがちです。でも、小学校受験で将来なんて決まらないし、あくまでも人生の通過点なので、親子で一緒に取り組むこと、それ自体が良い経験、学びになると思います」 コロナ禍を経て注目され始めた公立と私立の差。激化する中学校受験。まだまだ根強い学歴社会。共働き夫婦の参入。様々な理由を経て注目されるようになった小学校受験は、子どもだけでなく、親子の、家族全員の成長につながるのかもしれません。 取材・文/森下なつ PROFILE/大原英子 株式会社コノユメ 代表取締役 東京大学卒業後、大手通信会社勤務。その後、自身の母親が30年続けている受験絵画教室のメソッドを活かし、2011年小学校受験専門幼児教室設立。小規模教室ながら、慶應義塾幼稚舎42名、早稲田実業学校初等部39名、慶應義塾横浜初等部46名(2022年度実績)など、難関校に多数合格者を輩出。2022年5月に株式会社コノユメを設立。苦しい子育てをクリエイティブでエキサイティングな子育てに変えるべく奮闘中。自身も二児の母。