最近の「ハローキティ」に覚えた違和感…口が描かれていないのに「よくしゃべる」のはなぜなのか
「みんななかよく」に合っているか
しかし、こうした業績好調を支える商品の一つに、私は苦言を呈したいと思っている。 というのは、ガシャポンの流行しかり、昨今、「シークレットアイテム」商品が(サンリオに限らず)増えている。コンビニなどでも、年がら年中、「くじ」商品が発売されている。「何が出るかはお楽しみ!」という趣向は、確かに楽しいが、それはつまりギャンブルの一種であり、お目当ての商品が出るまで買う、という消費行動も引き起こす。 サンリオもこうしたシークレットアイテム商品を怒涛のように発売していて、箱ごと購入といった大人買いも少なくなく、人気の商品はメルカリなどで高値取引されている。サンリオの少額株主としては、このシークレットアイテムビジネスでおおいに稼いで株主還元してくれるのはありがたいが、考える消費者(!)として見ると、あまり褒められたものではない商品だと私は考えている。企業理念「みんななかよく」に合った商品かどうかを、いま一度、サンリオには考えてほしい。
唯一無二の影響力
サンリオのキャラクター大賞では、ここ数年間、3位にも入っていないハローキティ。それでも、彼女の影響力は唯一無二だ。 なぜなら、現在のサンリオが生み出す巨額の売り上げは、ハローキティが構築したビジネスモデルの焼き増しによるものだからである。つまり、今後、シナモロールやマイメロディ、ポムポムプリンといった人気キャラクターたちが「偉大なハローキティ姐さん」に倣ったビジネスを拡大していくならば――というか、コラボレーションやライセンスですでに拡大している――サンリオの業績は、少なくともしばらく上昇が続くに違いない。 #1【「みんななかよく」50歳になったハローキティが伝え続ける、現会長の「戦争反対」への強い思い】 #2【初日は転売ヤー殺到で「異様な雰囲気」に…「ハローキティ展」の展示内容に覚えた「物足りなさ」の正体】 を読む。
中沢 明子(ライター)
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