最近の「ハローキティ」に覚えた違和感…口が描かれていないのに「よくしゃべる」のはなぜなのか
あらゆるものとのコラボレーション
また、ハローキティが語られるさいによく言われるのが「誰とでも寝るキティちゃん」「仕事を選ばないキティちゃん」である。要するに、あらゆるブランドや企業、自治体とコラボレーションすることに対する揶揄である。 ハローキティの数多あるコレボレーションは(むろんサンリオも儲かるが)、基本的には利他主義によるものだ。コラボ相手がハローキティと組むことで注目されるなら、どうぞハローキティを使ってください、というスタンスである。ただし、人を傷つける可能性があるものはNG。条件はそれだけだ。
「変幻自在さ」が活躍の秘訣
ちなみに、私がもっともハローキティのコラボレーションアイテムで素晴らしいと思っているのが「ご当地キティ」である。特に根付のバリエーションがすごい。原型をとどめていないほど、ハローキティがご当地名物に扮する姿は感動すら覚えるし、知らなかったご当地名物を知るきっかけになる。 出張や旅行でご当地キティを見つけると必ず購入するので、100個以上、所有している。たとえば静岡・由比ヶ浜の「桜エビキティ」や山梨の「ぶどうキティ」、長崎で見つけた「教会ステンドグラスキティ」などが特にお気に入り。ご当地キティを一手に発売している「あすなろ舎」の苦労を想像しつつ、時々見直すと、その土地の思い出がよみがえるナイスなお土産である。ただし、最近はハローキティの人気が国内では下降線をたどっているからか、扱うお土産屋さんが減少しつつあるのが残念だ。みんな、もっと買ってくれ。 いずれにせよ、「設定」が曖昧で変幻自在を積極的に受け入れるハローキティだからこそ、八面六臂の活躍が可能なのである。
50周年も絶好調
転売ヤー殺到の限定グッズからも察せられるように、50周年のハローキティの売り上げは絶好調だった。毎日のように発売される、膨大な数の50周年記念商品やコラボ商品。自制しようと誓っていた私でも、50周年のハローキティに「課金」した金額は、まあまあのジュエリーを余裕で買える額である。懐が寒い。 そんな50周年バブルを見越して、株式会社サンリオは2024年3月期に「ハローキティ50周年記念配当」という特別配当金を株主に還元した。株価も、コロナ禍の苦境を乗り越えて、ここ数年、右肩上がりを続けてきた。2024年12月に社長や取引銀行保有の2587万1800株を市場放出することが決定したことで、株価の先行きは少々見えづらくなったが、業績自体は他のキャラクターたちの人気も手堅く、好調だ。
【関連記事】
- 【もっと読む】「みんななかよく」50歳になったハローキティが伝え続ける、現会長の「戦争反対」への強い思い
- 【もっと読む】初日は転売ヤー殺到で「異様な雰囲気」に…「ハローキティ展」の展示内容に覚えた「物足りなさ」の正体
- “7期連続減収減益”だった「サンリオ」がまさかの大復活…!ディズニーランドを運営する最強「オリエンタルランド」を圧倒的に凌ぐ「意外な数字」
- “5700万票”が集まる「サンリオキャラクター大賞」の衝撃…!「キティちゃん」の順位が“下がる”とサンリオが儲かる「驚きのカラクリ」
- サンリオ人気キャラ「シナモン」のもう一つの顔がYouTubeで話題に…大人がハマる“ご自愛シナモン”が教えてくれること