【あの人の仕事場から学ぶインテリア / Case04】自分らしさを貫くDIYリノベでこだわり空間に
●自分らしさを貫くDIYリノベーション。|NOTA&design 加藤駿介・加藤佳世子(デザイナー/プランナー)
クリエイターたちが、その創作哲学を表現する空間には、真似したいインテリアのアイデアが詰まっています。発売中の特集『仕事場とインテリア。』より、色使い、DIY、収納など、仕事場を形づくる独自の視点に迫ります。 【フォトギャラリーを見る】 全6回にわたる本企画の第4回は、伝統の信楽焼に新しい価値と可能性を見出していく〈ノタ・アンド・デザイン〉。自ら時代を切り拓こうとする強い意志が、仕事場にもはっきりと表れています。 色調を統一し、収納・保管にまでこだわる。 新たな視点から信楽焼の魅力を見つめ、地元作家による焼き物と国内外のアーティストが手がけるアート・工芸作品の展示などを行う滋賀のギャラリー&ショップ〈NOTA_SHOP〉。実はこの場所のすぐ裏手に、広大な焼き物工房とスタイリッシュな事務所が隠れていることを知る人は少ない。 「メーカーの下請けではなく、自分たちで企画、発信をするオリジナルやオーダーメイドのものづくりを目指すために、実はショップよりも前に、事務所と工房をオープンしました。だからこそ、仕事場も自分好みのかたちにしたい。そんな思いから、ほぼ自力で改装しています」
オーナーの加藤駿介さんは、親戚の工場を買い取るも、長年放置されていた空間は荒れ放題で、予算が潤沢にあるわけでもない。まずは、長年使われていた機械や窯道具、知り合いが持て余していた建材を集めては、適宜カスタム。自身の感覚にマッチする空間を作り上げていった。 「寄せ集めのバラバラとしたテイストのモノでも、色を統一するだけで空間は整って見えるもの。床や天井だけでなく、焼き物を乾かす什器や運搬用台車も色を統一してペイント。バケツやゴミ箱といった小物も素材感や色調にもこだわりました。白を基調としたおかげで、焼き上がった陶器の表情もしっかり確認することもできます」
好奇心旺盛な性格で、興味があるとすぐに買い揃えてしまうため、モノは増える一方。効率的に仕事場を使いこなしながら、全体をすっきりと見せるために、棚のディテールやサイズ感、書類やDIY用の工具を整理するボックスのデザインなど、収納細部にまで妥協を許さない。 「空間のあり方は、思考の広がりや柔軟な姿勢に直結するもの。頑張っていますが、思い描くビジョンの2割程度しかまだ実現できていません。今後もこのスペースにもっと手を加えて、さらに刺激的なことにチャレンジしていきたいです」
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