大谷翔平が「40-40」達成、30球団最高勝率もドジャースの現状は苦しい? カギは山本由伸の完全復活
【ドジャースで起きた「ダーウィンの進化論」】 『ロサンゼルスタイムズ』紙のジャック・ハリス記者は「野球のダーウィニズム(進化論)」と、うまい表現を使った。「ダーウィニズム」で、多様な才能を持つ個体が集まり、そのなかで環境に適応できた者だけが生存競争に勝ち残る。 その結果、ビジオ、アーメド、ロサリオが戦力外となり、若手外野手のジェームス・アウトマン、アンディ・パヘスはマイナーに降格となった。さらにベテランのジェイソン・ヘイワード外野手も戦力外になっている。 生き残ったユーティリティ選手のキケ・ヘルナンデスは、8月4日のオークランド・アスレチックス戦で2本の二塁打、2打点の活躍をしたあと、「微妙な立場にいることは受け入れているし、それについてあまり考えない。私にはコントロールできないことだからね。このゲーム(野球)は結果がすべて。結果が出なければ外されるだけ。頭にあるのは自分の役割を果たすこと。それができればチームは、もっとよい状況になる」と話していた。 チーム内の競争が激しくなるなか、伸び悩んでいた2016年のドラフト1巡指名選手ギャビン・ラックス(二塁手)がようやく結果を出し始めた。7月19日に.211だった打率は、8月23日までに.251と40ポイントも上昇。トレード候補から、逆に欠かせない存在になった。「プレッシャーはあるけど、毎日それを考えながらプレーしているわけではない」と説明している。 移籍してきたキアマイアーは、ア・リーグ東地区最下位だったトロント・ブルージェイズから来たことで、当然モチベーションが高まった。「ここに来て、(ナ・リーグ西)地区首位で毎日戦うのは本当に楽しい。守備のためにここに呼ばれたから、7番~9番を打つ私のバットを、他チームは警戒しないかもしれないけど、それは構わない。攻撃面で私ができることはボーナス、やれるときにしっかりダメージを与えられれば」と話した。15試合に出て、1本塁打を含む9安打5打点である。 8月12日、左手骨折から2カ月ぶりに復帰したベッツは、ドジャースが最高のラインナップを組めるよう、首脳陣のリクエストを受け入れた。ドジャース移籍後530試合の先発出場のうち、507試合で1番打者を務めてきたが、2番での起用について快諾し、ポジションも本職の右翼手に戻るとした。「(1番と2番では)確かに大きな違いがある。でも私の姿勢は変わっていない。ただ勝ちたいだけ」ときっぱり言いきる。大谷、ベッツ、フリーマンとなったことで、上位打線は左打者、右打者、左打者の順に並び、相手投手にとっては攻略しづらい構成になった。