ヒステリックな母との同居を始めるも、追い込まれた61歳ブロガー。母に<関わりを断つ><老人ホーム入所>の選択を迫ると大きな変化が…
◆二つの選択 一つは、自分の家に戻り、ヘルパーさんの手を借りながら自由気ままに生きていく案。 その代わり、これまでのように何か困ったことがあっても手助けは一切しない。つまり今後一切の関わりを断つというもの。 もう一つは、これからも家族関係を続けるために老人ホームに入所してもらい、週末はわが家で過ごすという案。 母にすれば、老後の面倒を見てもらえるはずだったのに、冷たい仕打ちをされたと思ったことでしょう。 結局、母は“老人ホームに入所する”を選択したわけですが、この決断以降、これまでのように「あんたのせいで……」というような責任転嫁はしなくなりました。 しかも、自ら施設を“終(つい)の住み家”と決めたことがよかったのか、最終的には施設の方々に感謝できるまでになりました。
◆自分の内側 いっぽう長い間、“母のせいで”と、暗澹(あんたん)たる思いで過ごしていた私は拍子抜け。 母が精神的に自立していく様子を見て、次第に、母からの依存や支配は“私の内側”が引き起こしたものだったのかもしれないと思うようになりました。 「もっとこうしてくれたら」「ああしてくれたら」私の人生は良くなるのにと、相手が変わってくれることを望んでいましたが、自らが変わらなければいけなかったのです。 自立を促されていたのは、私自身。 子育てや夫婦関係の問題もそう。 すべての問題に対し「どうしてこうなるの?」「私は何も悪くないのに……」と、原因を相手になすりつけていました。私の外側に問題があるのだ、と。 でも、そうやって外側にばかり目がいっているうちは、人生は思うように変わりません。変わりたいなら、自分を変える。これしかないのです。 ※本稿は、『先細らない老後のために、50代のうちにすべきこと』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
中道あん
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