【会見全文】(下)タカタのエアバッグ問題で高田会長が初めて会見
Q:事案を把握してから長い時間、企業文化に問題は?
質問者(16):すいません、フィナンシャル・タイムズのイナガと申します。会長にお願いしたいんですけれども、原因究明のところはまだ続いてるということなんですけれども、高温多湿っていうそういう環境下のこと以外に、2005年に初めて破裂事案を把握してからこれだけ長い時間がかかっているということで、企業文化について何か問題がないのかどうかっていうところについて教えていただけますか。 高田:今、ご下問をいただいた、われわれ初めて2005年にそういう問題を対応してから今に至るということなのでございますけれども、その間、われわれはその発見した事由に対して早急に。もうちょっと正確に言います。2005年にはわれわれ一部の情報をカーメーカーさんからシェアされて、これに対するコメントとまた製造履歴等を求められました。それは、その後は何も情報等はいただけずに、実際には2007年になってから残念ながら事故の情報をいただきまして、それから1年になりますけれども、その中で実際にその対象、該当物に対する解析と対策と、それとそれに対する市場措置を実施しました。 それから今まで実は、先ほど清水の説明の中にもありましたけれども、われわれいろいろな事由を、残念ながらですけれども、発見するたびに最速で対応させていただいてきたと思っております。その件につきましては、私どもはやはり安全を提供しなきゃいけない、提供するべき会社として非常に申し訳ないですけれども、私としましては全速力で対応させていただいてきたと。ただし残念ながらまだ、それが継続してしまってるというふうに思っております。その意味で私どもは、われわれのエンジニアも製造の人間も、われわれは安全を提供する会社だという認識に立って運営しております。さはさりながら、当然われわれとしてもやはりいろいろ改善するべきこともたくさんございます。 1つ、事由を挙げますと、われわれは今までもそうですけども、品質保証組織というものを、強固なものを持っておるんですけれども、1つ、最近になりますが行いましたのは、品質というのは品質部門が頑張ってチェックをすれば品質というのは確立されるわけではございませんで、設計の仕方、設計の思想、設計段階でのいろいろなポテンシャルな問題についての、そういう問題への対処、またはそれに使うような材質への検討ですとか、またそれを、われわれサプライヤーさんから物を購入さしていただいてアセンブリーしてやっておるんですけれども、そのサプライヤーさんの選定の仕方ですとか、それをどういうふうに製造上で管理して行ってくのかと。それをさらにお客さまに届けるまでのロジスティック。そのいろいろなステップの要因が絡んでいるというのが、最終的に品質ということをつくり上げるというふうに思っております。 これはいろいろな部署が絡むということで、われわれとしてはそれに対応するために品質改革本部というのをつくりまして、この本部は今までの品質保証がお話をさせていただいてるだけではなくて、全ての関連するプロセスに対して品質の観点からどの部署ということにもよらず、それに対して是正をすることができると。是正する権利を持ってるということで、横串を通してトータルとしての品質を確立、確立というかステップアップさせると。 これはいろいろ細かい、ちょっとした図面の描き方ですとか、そこでの公差の見方だとか、そういうことが集積されておるんですけれども、それを再度横串で全部見直すということを主眼とした、品質保証本部を補完する部署を新たに新設いたしまして、それを駆使してさらなるグローバルでの品質をアップするということを目指してやらさせていただいております。 司会者:もう予定の時間を過ぎていますので、あと2問だけお受けしたいと思います、お願いいたします。じゃあそちらの後ろのほうの男性の方。 質問者(17):日刊自動車新聞のオクノと申します。先ほどからご説明いただいているんですが、なかなかこの問題が収束しなくて、車というものに対する、自動車産業ですとか車っていう商品に対する消費者の信用というものに影響してくるかと思うんですが、これから先、なかなか原因特定ができなくて収束時期というのは見えないと思うんですが、どれぐらいの時期に一定の解決を図りたいというふうにお考えになられているか。ちょっと高田会長からお伺いできればと思うんですが。 高田:はい。まず1つ目は、今回アメリカで合意させていただきましたDIR(不具合情報報告書)の内容につきまして、われわれとしましてはここで急速に大きなリスクが発生してこういうような対応をしてるというよりも、あくまでもやはり予防的にいろいろな想定するリスクを含めまして、かなり広範に対応させていただいたというのが私の考え方でございます。 その意味で、今現在さらにそういうものの発展形でさらなる措置をすぐに対応するというようなことは考えておりません。ただしご下問、皆さんからありましたとおり、まだその解析が進んでないということについては私も非常にこれは懸念をしておりまして、第三者機関にも応援を頼んでおりますが、社内のところも実際には解析する数のスピードを上げたり解析する機器の増設を行ったり等をして、いち早くそれに対する包括的な原因究明ができることを目指して頑張っております。その意味で、まずはわれわれは解析が終わってない中でも考えうる、かなり広範の予防的措置を取らさせていただいたというふうに思っております。 司会者:では最後の1問とさしていただきたいと思います。 質問者(17):ごめんなさい、解析の完了はどれぐらいの時期をお考えになられているんですか。 高田:まだ、私としては非常にこれは早くやってほしいということでやっておるんですけれども、ちょっと申し訳ありません、今の段階で具体的な時期については申し上げられることはできません。