【会見全文】(下)タカタのエアバッグ問題で高田会長が初めて会見
Q:なぜそれでも硝酸アンモニウムにこだわるのか?
司会者:次の方。もうだいぶ時間にも限りがございますので、ご質問はあと2、3問とさせていただければと思います。では、そちらの2列目の白いジャケットの男性の方、眼鏡掛けた男性の方、お願いします。 質問者(15):日経ビジネスの広岡と申します。β事案については、複合要因であることが示唆されているという話で、高温多湿の環境下、これはユーザーさんの使い方で、御社にはコントロールできない部分で、製造上の精度のばらつきについては規定値内であると。そしてインフレータの設置状態についてもたぶん、御社にはコントロールできない部分であろうと思うんですが、その3点と硝酸アンモニウムが組み合わさったときに起こりうるという話で、他社さんの硝酸グアニジンの場合はそれを乗り越えて、こういった問題にはなっていないわけなんですけれども、なぜそれでも硝酸アンモニウムを使うということにこだわるのかという理由を教えてください。 それから関連して、少なくとも製造上の精度のばらつき、こちらにつきましては御社で工夫の余地というか改善の余地があることのようにお見受けするんですけれども、今、具体的にすでに始めているような施策なり、ありましたら教えてください。よろしくお願いします。 高田:まず、最初のほうの質問は清水のほうから回答させていただきまして、施策に関しては私のほうから説明をさせていただきたいと思います。 清水:すいません、私のほうから回答させていただきます。すいません、ちょっと声が小さかったのでご質問の内容を確認させていただきたいんですが、最初、いろいろと硝酸アンモニウムをなぜ引き続き使っているのかという質問だったと思うんですけども。 質問者(15):そうですね。複合的な要因と、その硝酸アンモニウムが組み合わさったときにこの問題が起きていると思うんですが、他社さんの硝酸グアニジンでは起きていないと。それなのになぜ硝酸アンモニウムを使い続けるということにこだわるのか、ということです。 清水:はい、分かりました。どうもありがとうございました。先ほども高田のほうから説明をさせていただきましたけども、確かに今のβ事案の中で、いろいろと解析した中でデータ上、そういった複合要因で不具合が出る、一部のインフレータのほうで不具合が出る可能性があるということは分かってきてはおりますが、まず1つ、相安定化というか化学的安定化を図った硝酸アンモニウムにつきましては先ほど説明しましたとおり、化学的安定化は、これは相安定化で図るということで、化学的安定であると同時に毒性がなく、非常に製造上も安定して使えるということで、安全、安定ということ以外に、ガス発生化効率、これは一定容積、一定の重量のガス発生剤からどれだけのガスが発生できるかという、ガス化に関する効率の話なんですけども、これが非常に他の、グアニジンとか材料に比べて非常に優れているということで、インフレータという製品もしくは最終的にはエアバッグモジュールという製品において小型・軽量化が図れるということで、これはある意味、設計上のフレキシビリティーをお客さまであるカーメーカーさんに提供できるということと、小型・軽量化につきましては当然、今のお車に要求されていますデザインのフレキシビリティー以外にも、燃費の向上とかにとっても、いろいろとそういった意味でメリットもあるということで、当然、安全第一の上でございますが、品質が守られた上での話でございますが、そういったメリットがあるということで、引き続き継続して使っていくということがあります。 質問者(15):安全第一が守られていないこと自体がこういう問題になってくるんだと思いますけど。 清水:また繰り返し説明にはなるんですが、α事案につきましてはおっしゃるとおり、いろいろと過去に製造上の問題があったということは確認できておりますので、それについては対策を打っています。β事案につきましても、しつこいようではございますが、今現在、原因究明中であり、いろいろと複合要因の中で、複合要因が影響しているという理解の下にまたそういった原因究明を図っているわけでございますが、今回、市場措置の拡大という中で不具合が発生する可能性のあるもの、もしくはそういうリスクのあるものについてはかなり幅広に対象範囲を決めておりまして、そういった意味ではある程度そういったリスクは排除できているものであると考えております。それだけでは不十分ではございますし、安心もしていただけませんので、引き続き当局とは、データを解析しながら、共有しながら、問題が起らないように前広に適切な措置を取っていくということでございます。 高田:弊社といたしましては、われわれは相安定化硝酸アンモニウムというのは安全であると。われわれが提供するインフレータの薬剤としては妥当であるという認識を持っておる。それは変わりません。ただし先ほどお話しさせていただきましたように、今までもわれわれ、他社さんのインフレータを使うということも具体的にやっておりますし、それはやはりいろいろ、お客さまとの協議の上、どういうふうにするべきなのかということを検討させていただきたいと思っております。 清水:あとすいません、もう1つ、追加でございますけども、硝酸アンモニウムがメインの物質で、われわれのガス発生装置のメインの物質ではございますが、お客さまの要望によって硝酸グアニジンを使ったインフレータも製造しております。ただ、割合は非常に少ないですけども。 司会者:次のご質問の方。 質問者(15):ごめんなさい、質問にちょっと今まだお答えいただいてない部分があって、製造上の精度のばらつきについて、御社で今、これから例えば作るものであるとか代替品であるとか、そういうものについては抑える工夫ができると思うんですけれども、実際に何かすでにされているようなことはあるんでしょうか。 清水:私のほうからまたお答えします。先ほどの一括説明でもございましたように、いろいろと不具合につながるような、検査工程のさらにレベルアップとか、通常の工程の中での管理項目として、今まである程度マニュアルに頼った部分については自動的センサーを設けるとか、また製造上ばらつきの中で不具合につながる可能性あるものについては、自動的にそれを排除する装置とかということで工程上も改善しておりますし、そういう工場の中の環境面におきましても、安全と品質におきましてかなり厳しい管理の中で製造を続けております。 また、これも先ほどの説明にありましたけども、元運輸長官のミスター・スキナー氏をリーダーとして品質保証パネルというチーム、これはエキスパートのチームで成り立ってるんですが、現在の製造工程ついて本当に何も穴はないのかと。さらにもっと高度なレベルでの生産はできないかという目線で監査をしてもらってますし、そういうとこがまた見つかれば、さらに品質向上のほうに向けて努力していくつもりでございます。 司会者:時間終わりましたので次の方に移らさせていただきます。では、こちらの4列目ですかね。女性の方、チェックの、なんて言うんでしょうか。