大阪市のBRT「いまざとライナー」社会実験3年目 現時点での成果と課題は?
大阪市の南東部で行われているバス高速輸送システム(BRT:Bus Rapid Transit)「いまざとライナー」の社会実験が3年目に入りました。地下鉄の代役が務まるかどうかを検証することなどが目的ですが、過去2年でどのような成果が得られたのでしょうか。また、課題としては何が浮かび上がってきたのでしょうか。 【拡大写真】いまざとライナーの停留所間利用者数(大阪市公式サイトから)
いまざとライナーどんな感じか筆者が実際に乗ってみた
地下鉄今里駅の改札を抜け、地上階へ。明るい日差しの中、目の前にオレンジとブラウンの塗装を施したバス車両が現れました。いまざとライナーです。 乗車口でICカードをカードリーダーにタッチして乗車。運賃は大人210円、子供110円(終点まで同一運賃)ですが、ICカードを使って地下鉄と乗り継ぐ場合は160円が割り引かれます。 この日、筆者はICカードで地下鉄の鴫野駅から今里駅経由でいまざとライナーに乗り継ぎましたので、合計運賃390円のところ230円で利用できました。
バス停は地下鉄と同程度の約1キロメートル間隔
午前11時23分に発車。走行する車線はバス優先レーンですが、停車している車両などがあると別の車線に移ります。左側の窓から後ろへ過ぎ去っていく沿道を眺めていると、路線バスのバス停を通り過ぎました。 路線バスのバス停はおおむね数百メートル間隔なのに対し、いまざとライナーは地下鉄と同程度の約1キロメートル間隔で設置されています。 途中のバス停では、地下鉄のように乗り降りする客の有無に限らずしばし停車することがありました。大阪市都市交通局によると、予定より早く到着した場合は定められた時間まで停車しますが、予定の時間を過ぎている時は、乗降客がいなければ通過するそうです。午前11時58分、いまざとライナーは定刻通り終点に到着しました。
地下鉄延伸なら赤字必至、代役にBRT
BRTは、路線バスよりも短時間で移動できる、時刻表通りに運行(定時運行)しやすいなどの特徴を持つ交通機関です。 現在、いまざとライナーは、地下鉄今里駅付近から南下して杭全(くまた)、湯里六丁目を経て、Jリーグ・セレッソ大阪のホームスタジアムの最寄り駅である地下鉄長居駅付近の間を結ぶ「長居ルート」と、地下鉄今里駅から杭全で西に折れて天王寺駅付近の間を結ぶ「あべの橋ルート」の2ルートで運行されています。