川勝平太・静岡県知事に聞く(全文3完)ジャパニーズドリーム実現できる県に
50年後は世界中から来た人の夢がかなう「ジャパニーズドリーム」の先頭を走る県
── 最後に、50年後の静岡県のイメージを教えてください。 ジャパニーズドリームが、日本でいわれる時代になっていて、つまりアメリカンドリームというのは、今、たまたまトランプさんが出て、イスラムの人たちはISでないかとか、有色人種に対する偏見があったりします。 本県は、イスラムの人たちが、ハラール食が大好き、ユダヤの方たち、ジューイッシュの方たちはコーシャが好きだとか、これ食文化ですね。全部オーケー、和の食の都なんです。和というのは足し算です。1と2の和というでしょう。大いなる和の食の都なんです。ですから、来るものは拒まないと。 日本のクールジャパン。これがさらに転じて、アメリカンドリームに代わるジャパニーズドリーム。日本に行くと夢がかなう。日本は留学生が20万人以上増えてきています。そういう青年たちが、今までは東京などの大学に通った。 しかし、ほとんどの学生はアジアや、いわゆる開発途上国から来ているんですね。その人たちは、本当は農業とか、生活環境について学びたいのです。その学びには現場があればいい。その現場で一番多様なものがあるのはどこか、静岡県です。一次産業から二次産業全部あるから。 そこで、スポーツも、芸術も、音楽も、そうしたものをかなえられる国にこれから日本はなっていくだろう。そのとき、先頭を走っているのが、日本の国土のシンボルのある富士の国、静岡県ということで、2050年には、ジャパニーズドリーム。 これは戦争がないということが前提ですけれども、そういう平和な時代に、男女ともに国籍も、宗教も、肌の色もかかわりなく、誰もがここに来て、結婚をし、知らぬうちに日本語、母国語と両方話せるような、気がついたら日本人になっている。そういう多文化共生、多民族共生社会になっている、しなければならない。2050年にはそういう社会にするということです。アメリカンドリームを後ろに見て。 ── きょうはありがとうございました。 こちらこそ。