川勝平太・静岡県知事に聞く(全文3完)ジャパニーズドリーム実現できる県に
「本当の幸せはどういうところか」
本当の最後の幸せは、どういうところですか。「冬、滑らないほうがいい」、「暖かいところがいい」、定住移住がしたい、いろいろ考えている人がいるなら、情報も出す。それはもうやっています。そのときも、お隣の山梨県、その向こうに長野県もある、みんな接しています。それで、一緒にやりましょう、と。静岡中心主義じゃない。 “蟻地獄”東京で何とかしたいと思っている人、あるいは四角四面の中で人生を終えるということに対し、ちょっとお花を栽培してみたいとか、きれいな景色があるところがいいとか、おいしい食べ物がいいとか。東京の食料自給率は1%でしょう。 「静岡は食材幾つあるんですか」と聞いたら、439もあるというのですよ。「日本で何位ですか」と聞いたら、経済産業部長がバンとドアを蹴破って、実際はドアは開けっ放しなので、蹴破る必要はないのですけれども、脱兎のごとくやってきて、「知事、断トツで日本一です」と。食材の数2位は218。富士山の高さが3776メートルは知っていますけれども、第2位の高さの山はどこですかとか、名前を知らないじゃないですか。 断トツなんですよ。食材が多い、つまり春、夏、秋、冬、常に旬のものがある。そして大半が皇室への献上品。お肉も「夢咲牛」はずっと1番なんです、お肉の品評会で。ところがみんな夢咲牛と言ったって、静岡県だと思わないから、だめでしょう。 福井にもいろいろな工芸品があるでしょう。工芸品というのは、工業の芸術的な作品ですよね。要するに1番。農業品、農業生産物なんかは、これは農業の芸術品ですので、それを縮めると“農芸品”。この農芸品が339あって、海産物となると439ある。食材の王国です。食の都ですね。 お茶は、茶畑を含めて生産量は4割、流通量は6割、1人当たりのお茶を飲む量は、日本人平均の2倍、健康寿命は世界一なんて聞くと、ここが実は人類の理想じゃないか、と。 【メモ】 ・静岡県の荒茶生産量:平成28年全国シェア38.3%、仕上茶(緑茶)出荷額:平成26年全国シェア55.1%。