川勝平太・静岡県知事に聞く(全文3完)ジャパニーズドリーム実現できる県に
静岡は千変万化 日本の縮図のようなところ
それから、「少子化突破戦略の羅針盤」というのがありまして、これは内閣総理大臣か、内閣府か、もしくは厚労省からお褒めの言葉をいただいた。これは35の市町を6つぐらいの項目で、それぞれのまちのどこが強いか、どこが弱いか、何をすればいいか、こういうものをつくればよいとか、そうした冊子をつくりました。 冒頭に話した静岡特有の海辺のまちもありますし、山奥のまちもあります。里山みたいなところもありますし、非常に千変万化で、ある意味日本の縮図みたいなところです。 富士山の頂上は、今は真冬ですよ。だから亜寒帯です。あるいは寒帯といってもいいかもしれません。しかし、伊豆半島というのは、もともとフィリピン海の海にポンと出てきた火山島だったわけです。ひょっこりひょうたん島、波にちゃぷちゃぷ洗われて、今から100万年ほど前に本州にぶつかったんですよ。下はマグマが燃えていますから。 だから12月にヒマラヤザクラ、1月に熱海桜、2月に河津桜、3月、今は大島桜。桜餅の葉っぱ、あれは全部松崎の大島桜です。松崎というのは駿河湾に面した港町なのですが、「君知るや ころは弥生の松崎の 大島桜の花の白さを」という歌があるくらいで、ソメイヨシノの桜前線と関係なしにいつも花が咲いているわけです。花の半島なわけ。 そうすると、そういうところが好きな人、あるいは深山幽谷的なところが好きな人、あるいはまちのにぎわいの好きな人。人生の段階で選べるし、また、今の東京の人にこのやり方のとき、という選択肢を増やせるようにして、新しい時代を開けて、3世帯一緒に住めるようにしよう、ということをしています。 【メモ】 ・「ふじのくに少子化突破戦略の羅針盤」……静岡県内35全市町別の合計特殊出生率の地域分析を実施。2017年、出生率に影響している市町の総合力や特徴的な施策など6項目を設け、各自治体の少子化対策が比較できる冊子をまとめた。