川勝平太・静岡県知事に聞く(全文3完)ジャパニーズドリーム実現できる県に
つまり、のぞみに乗らないで、ひかりとこだまに乗るわけ。ひかりとこだまが停まる駅は6つあります。ひかりは2つ、3つぐらい。一番停まるのが浜松と三島、時々熱海とか、それから静岡と浜松に停まるんです。こだまは残り6つ駅がありますけれども、全部停まる。それに乗って、三島で降りるとか、新富士で降りて富士山を見に行く。 そうすると「あれ、この用水は何ですか」、「これは深良用水」。「これは何ですか」、「源兵衛川」。すると「これは世界かんがい施設遺産ですよ」とか、南アルプスは「これはユネスコのエコパークですよ」。それが、バンバカバンバンふってきて。気がついたら、偉い人がいて、京都賞とか、ノーベル賞とか、静岡県の方がとりました。あるいは静岡県がとりました。 富士山が平成25年6月に世界文化遺産になった途端ですよ。今は平成29年の3月ですから、ちょうど47カ月で、世界クラス46件ですよ。平成25年で3つ、平成26年は9つ、平成27年が11、平成28年はなんと21、ことしまた2つ。 例えば、駿河湾。伊豆半島と焼津から御前崎に囲まれていて、清水港とか美しい港・田子の浦が、「世界で最も美しい湾クラブ」から、「世界で最も美しい湾に認定します。フランスの理事会で決定しました」。「今度総会をメキシコでやります。メキシコの総会で満場一致で決まりました」。世界クラスのものが1カ月に1個の割合でふってくるわけです。 県民は、私も含めて「へぇ」と。ほかにそんな県ありますか。東京を含めて、神奈川県あるいは愛知県、長野県、山梨県、周りの県、見たら、どこにもないんです。そして、僕たちの県は世界クラスじゃないか、と。東京で一番の自慢は何ですか。「スカイツリーだ」と。「何メートルあるの」、「ムサシ、634メートルだ」。「うち(富士山)は3776メートルですよ」。「吹けば飛ぶよな」という感じで、何も引けをとりませんね。 【メモ】 ・世界かんがい施設遺産……国際かんがい排水委員会が認定。2014年に深良用水(裾野市ほか)、2016年に源兵衛川(三島市)が選ばれた。 ・南アルプス地域エコパーク……ユネスコが地域の豊かな生態系や生物多様性を保全し、自然に学ぶと共に、文化的にも経済・社会的にも持続可能な発展を目指す取り組みとして認定。静岡・山梨・長野3県にまたがる南アルプス地域は2014年6月に登録された。 ・世界で最も美しい湾……フランスに本部を置く非政府組織(NGO)「世界で最も美しい湾クラブ」が優れた自然景観を保全しながら、湾周辺地域の観光振興や地域経済の発展との共存を図ることを理念として活動。駿河湾は2016年11月に加盟が認められた。