千葉ジェッツ 田村征也社長が語る“夢のアリーナと地域貢献の未来”【Bリーグ/バスケ】
――継続してくる中で、選手やスタッフの皆さんの熱量が変化したのでしょうか? 田村)地域担当ができたのが4年くらい前でした。次にチームを作って力を入れてコツコツと続けてきた地域貢献活動を見て、選手たちを中心とした活動がさらに生まれて…という形です。リソースを投入したことで、ボトムアップで活動が拡大していると感じます。 元々ジェッツは市民球団的な立ち上がり方をしていて、コミュニティを大切にしています。地域の皆様に応援いただくことが、我々にとって最もバリューがあることなので継続して活動してきた結果今があると思います。 ボランティアという形ではなく、我々がハブになって地域企業や行政を巻き込むことで、継続的な支援ができているということが重要です。ボランティアが悪いということではありません。しかし、それでは誰かに負担がかかる部分も出てきてしまいます。地域の課題に対して継続的に活動するために、パートナーとタッグを組んで資金やリソースを集めて共に活動してきたからこそ、地域貢献活動がさらに広がっているのだと思います。
――パートナーになった企業にとって、ウィンウィンになる形を見出しているということですね。 田村)行政の課題を解決できる形と企業と共に作る。そして課題解決を達成することで行政も企業も、我々も喜ぶことができます。正に三方よしの施策です。 ――活動を続ける中で、地域の方の反応はどう感じていますか? 田村)直接地域の方から感謝の声をいただく機会も多くありますが、昨年「第8回食育表彰」の農林水産大臣賞をいただきました。これはプロスポーツクラブで初のことです。異なる分野の方にも、我々が行っている活動の価値を感じていただけている証拠だと思います。またBリーグのクラブとして初となる「HEROs AWARD」も受賞させていただきました。 ――先日、待望のアリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY」がオープンとなりました。クラブとしてアリーナと共に描く未来像はどんなものですか? 田村)率直に言いますと、人がふらっと立ち寄る、行き来しやすいアリーナになってほしいと思っています。もしチケットを持っていなくても、巨大ビジョンで試合映像を流したり、アリーナの外でスタージェッツがパフォーマンスを披露していたり、キッチンカーがあったりと楽しめる場所になっています。アメリカのベースボールパークのようなイメージです。バスケも地域の方々にとってもっと身近な存在にあるように、開けたアリーナにしていきたいですね。 また、これまでバスケのアリーナというと観戦のためだけに行く場所であることが多かったと思います。しかし、「LaLa arena TOKYO-BAY」にはすぐ近くに大きな商業施設があります。買い物や食事のついでにアリーナに寄ってみるというように、人々の生活の一部にアリーナが溶け込み、バスケ観戦がもっと気軽にできるものになるといいなと思います。商業施設でも、赤いTシャツを飾ってくれていたりするので、地域が一体となってさらに盛り上がっていくのが理想の未来像です。