ホンダが次世代バッテリー「全固体電池」開発! SF映画に出た近未来バイクに投入?
2025年登場の新型EVバイクの性能は?
ちなみに、ホンダでは、2025年に初の電動スポーツモデルを発売予定。2024年11月に、イタリア・ミラノで開催された2輪見本市「EICMA2024」で、「EVファン コンセプト(EV Fun Concept)」を発表しましたが、このモデルの場合はどんな性能を持つのでしょうか? まだ、詳細は未発表ですが、2025年に発売ということでいえば、バッテリーは全固体電池ではなく、従来の液体リチウムイオン電池だと考察できます。それでも、走行性能は、ホンダによると、中型クラスのガソリンモデルと同等だといいます。 ただし、「航続距離は100km以上」と発表。100km以上とは、具体的にどれほどの航続距離かは不明ですが、バイクで従来の液体リチウムイオン電池を搭載する場合、航続距離を伸ばすには、前述の通り、バッテリーをたくさん積まなければなりません。 でも、積載スペースの少ないバイクでは、あまり数を積めませんし、もし積めても車体が重くなります。そう考えると、結果的に、1回の満タンで300km前後は走れる今のガソリン車ほどの航続距離は期待できそうにありませんね。 ひとまず、2025年に登場する新型EVモデルに関しては、まだまだ発展途上となるのかもしれません。
近未来のEVバイク登場に期待!
あと、ちょっと気になったのが、ホンダが今回の発表で公開したスライドにあるイラストです。これは、ホンダは新しい全固体電池を、4輪車だけでなく、2輪車や航空機など、幅広い自社製モビリティに採用する予定であることを紹介するためのものです。 そして、そのなかにある次世代EVモデルらしきバイクのシルエットが、あるバイクにそっくり。それは、前述の通り、2017年公開の映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」に登場した近未来バイクです。 この作品は、世界的に評価の高い士郎正宗氏原作の漫画「攻殻機動隊」を題材とし、ハリウッドで実写化された近未来を舞台とするSFアクション映画です。 当時、この映画に協力したホンダは、大型2輪車の「NM4」を提供。それをベースに、映画制作スタッフが主人公の少佐(草薙素子)役を演じたスカーレット・ヨハンソンさんが乗る近未来のバイクを製作し、劇中に登場させたのです。 ちなみに、NM4は、「近未来」と「COOL」をテーマとして開発され、2014年4月に発売された750cc・2気筒エンジン搭載のロードモデルです。大きな特徴は、画期的で先鋭的なスタイル。また、クラッチ操作が不要のAT機構「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」など、最先端の技術が盛りだくさんだった新感覚のバイクでした。 ただし、当時は、登場する時代がちょっと早すぎたのかもしれません。残念ながら、現在ラインアップから外れてしまっています。 ただ、次世代のバッテリーといわれる全固体電池を搭載する新型EVバイクであれば、NM4ベースの近未来バイクはなんかは、かなりアリではないでしょうか。こうしたデザインなら、革新の技術を盛り込んでいることが一目瞭然。結果として、近未来風のスタイルを活かすことができるかもしれません。 ともあれ、ホンダが、このマシンのシルエットを今回の資料に使ったのは、「たまたま」だったのか、「意図的」だったのかは不明ですが、今後の動向に注目したいものです。
平塚直樹