ダメ出しの受け入れ方。へこまずに、これからに集中できるアドバイス
フィードバックを最大限に活用する
マックスが上司との会議後にノートパソコンを閉じた直後の瞬間を、もう一度振り返ってみましょう。 マックスは動揺しています。低いパフォーマンスを示す存在だと見なされることへの圧倒的な恐怖とストレスは、彼の脳に火がつき焼きつくすように感じさせ、明らかにレベル3の脅威となっています。 次の会議まで1時間あるので、彼は軽食を取り、頭を冷やすために散歩に出かけることにしました。 戻ると、まだ30分の余裕があります。気分は良くなりましたが、まだ不安を感じているので、彼は自分が感じている具体的な感情を振り返ります。 彼はそのうちの1つを「恥ずかしさ」とラベリングします。彼はもう1つに「不安」とラベリングします。全体的に、彼は自分が仕事ができないと思われていることを気にしています。 このラベリングエクササイズには効果がありますが、脅威を一掃するには足りません。 そこで彼は、自分の自己意識を再評価しはじめ、誰もが苦しむ瞬間があることを自分に言い聞かせます。 彼は、仕事は難しく、人間はどうしても失敗するものだと認めます。また彼は、自分が一人ではないことも思い起こします。チームメンバーや上司がサポートしてくれているのです。 この再評価によって、マックスはフィードバックを個人的な攻撃や彼の評判への打撃としてではなく、「成長はプロセスのなかで起こる」ということを思い出させてくれるものとして捉えるようになります。 これは、固定的な思考から成長志向の思考へのシフトです。 そして、落ち着いた心で、彼は心理対比を行ない、時間をかけて自分がどんどん良くなっていく姿を想像し、自分の役割での改善がどのように見えるのかを具体的に視覚化します。 マックスは今、フィードバックを冷静に受け止めることができる状態にあり、フィードバックを個人的に受け取ることはありません。 フィードバックは、そもそもなぜ業績が伸び悩んだのかを反省するのに役立つものです。 このケースの場合、彼は自分が「朝の間ずっとメールに没頭し、疲れた状態の午後になってから認知的に負荷の大きいタスクに手を付けるという習慣に陥っている」ということに気づくことができました。 これによって、彼は自分の1日を再構築し、より集中を必要とする難しいタスクを前倒しでこなすようになるでしょう。彼は、今後の会議で上司にさらに指導を求め、どのようにして優れた成果を出していくか、アドバイスを求めることも決めます。 フィードバックを一旦脇に置いて、自分の脅威レベルを下げることに集中したことで、マックスは自分の脳の自然な働きを尊重できました。 嫌な感情と戦ったり、それを抑えようとしたりすることは、ほとんど効果がありません。自分に冷静になるための時間を与え、具体的な感情を明確にし、状況を捉えなおすことで、再び集中し、時間をかけて改善していく意識が生まれるのです。 Source: NeuroLeadership(1, 2, 3, 4, 5), Nature Review, APA PsyNet, PMC, Sage Journals, Cambridge Core Originally published by Fast Company [原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
真栄田若菜/OCiETe