ダメ出しの受け入れ方。へこまずに、これからに集中できるアドバイス
これはよくある、上司からダメ出しを受けたある社員のお話。 マックスは、上司との厳しい週次会議を終えて、ノートパソコンを閉じたところでした。 会議の内容はすべてマックスの仕事のパフォーマンスに集中していました。彼は、締め切りを守れていないこと、質の低い仕事を提出していること、そしてそのせいでほかのチームメンバーが負担を強いられていることについて指摘されたのです。 しかし、改善方法を考える代わりに、マックスは上司が間違っている理由や、不満を言える相手を考えはじめました。 彼はどうすれば、事態を改善するよう意識を集中させることができるのでしょうか? 否定的なフィードバックは、それがいわゆる「建設的な」フィードバックであっても、非常にストレスがかかるものです。 上司から自分の間違いや改善点を指摘されると、心拍数が上がり、呼吸が速くなり、思考が混乱します。これでは良い仕事ができる状態とは言えません。 否定的なフィードバックに直面したとき、集中力を高めてパフォーマンスを向上させるには、心と体を落ち着かせる脳に優しいツールが必要です。 次に否定的なフィードバックを受けたとき、すぐに立ち直って行動計画を立てる方法を紹介します。
否定的なフィードバックが脳に与える影響
私たちが否定的なフィードバックの会話中や、そのあとに感じるストレスは脅威状態の一形態であり、特に自身の地位に対する脅威となります。 脳は危険を察知すると、大切な認知リソースを閉鎖し、地位や評判について心配することにエネルギーを向けます。 つまり、認知と脅威は一種のシーソーのように働くのです。一方が高ければ、もう一方は必然的に低くなります。 もしあなたが否定的なフィードバックを受けたことがあるなら、その脳の疲弊を直接感じたことがあるはず。 そんな時、あなたは自分がどう改善できるかを積極的に聞くべきですが、集中できるのは「自分の評判を保てるか」ということだけでしょう。自分が仕事を失う危険にさらされているのではないかと考えるかもしれません。 この脅威状態では、フィードバックを受け取る際に重要な要素である「心理対比」を行なうことができません。 心理対比は、現在の状況をより望ましい未来の状態と比較するという練習です。 否定的なフィードバックを受けると、脳はその悪い感情を処理することに夢中になり、冷静に考えることができなくなります。これが、マックスが上司のフィードバックを受け入れるのに苦労し、代わりにそのフィードバックを不正確だと説明しようとした理由です。 脅威状態では、心理対比は決して行なわれません。そのため、最初の目標は、脅威を取り除いて、脳が正常に機能できる状態に戻すことです。 では、動揺した従業員はどうすればよいのでしょうか?